working-report 2回戦

ゲーム脳はゲーム脳のままで熱を失うだけ

愛は閉じ込めるもの

愛ってなんだろうと真面目に考えたこと一度や二度ではないgentlyです。叛逆の物語における暁美ほむらの回答は鳥籠に閉じ込めることでした。あれを見て歪んだ愛という言葉を想起しましたが、真っすぐな愛を知らない私が何を以て歪みを感じたのか、単に猟奇的であることが歪みとは限らないのではないか、と彼女に共感したものです。

 

そういえば多目的トイレが話題になってますね。法律上の嫁がいながらその行為に幾ばくかの色をつけて渡す行為も含めて一体どのような気持ちだったのか、愛を欠いた合理性しかない釈明を聞いてみたいところです。私はNHKしか見ないので、彼の名前も、お笑い芸人であることを忘れたような顔も認知したことがありません。なので彼の行為に思うところなんて何一つありませんが、「俺は顔がいいからモテるんだよ、悔しかったら同じことやって見せろや愚民どもが」みたいなツイートで万人の攻撃心を煽りまくって全部スルー、何事もなかったように芸能活動再開するぐらいのことを期待しています。そこまでやってくれたら私は彼を「命をかけたお笑い芸人」として認知するでしょう。

 

さてそんなわけでほむらちゃんへの共感を体現する機会が今日訪れました。先日ご紹介した箱入り娘の新しい嫁、1/7スケールの我那覇響ちゃんをショーケースに入れる一大プロジェクトです。

 

普段フィギュアをお求めにならない皆様には「たかがお人形ひとつホコリよけに入れるくらいで何を大層な」とお思いでしょうけれど今お人形つったの誰だオラァ私か。未開封品のフィギュアを開封することには破瓜に等しい重みがあり、開封した直後から市場価値が大きく下がるのです。この文章後々問題になりそうだけどまぁいいや。つまり、ショーケースに入れるとは、もう世に出さなくていい(=高額吊り上げの果てに中抜きしくさるテンバイヤーはカビ生えたパンでも食ってさっさと死ね)、私だけの響ちゃんにしてしまう行為なのです。

 

な?わかるやろ?ことの重大さが。

 

……開封によって価値が下がる理由は簡単です。一度も開けていないものと、開けた後のものを比較して考えると色々な違いがありますよね。手垢がついてるかもしれない。前の持ち主がくっさい寝床で添い寝してたかもしれない。添い寝どころか抱いてたかもしれない。豚ラーメン食ったあと歯磨きしてないくっさい口でチュッチュしてたかもしれない。何年も掃除してない雑菌まみれのくっさい風呂に一緒に入ってたかもしれない。開封したという事実にはここに書いた以外にも様々な疑いが発生するのです。実際にやったかどうかの事実が重要なのではありません。疑いがある、それで十分なのです。

 

もっとも、開封していようがいまいが私は中古流れのフィギュアなんて絶対に買いません。趣味嗜好のわからない前の持ち主がその箱を見ながら何をしていたか考えるだけでも鳥肌が立つのです。その疑いはブーメランの如く自分にも飛んでくることを理解しているので、せめて私の手元に置いておくならば最も美しい姿で鑑賞できるようにしてあげること、これこそが愛だろうと思うわけです。

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状況と写真(中身取出済)が若干ズレてますがご容赦を

フィギュアの箱には天面3方に接着テープが貼ってあります。未開封品であることを示す重要なファクターなのでめっちゃ厳重です。まずはこれをきれいに剥がすところから始めます。もう市場価値なんて気にしないと言いながら、なんできれいに剥がすんでしょうね。それは、いずれ置き場所がなくなって箱に戻す必要が生じた時に、きれいな状態の箱に戻してあげたいじゃないですか。シーリングの剥がし跡が残ってる箱に入れるなんて可哀想だとは思いませんか。これも愛ですよナナチ。

 

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微かに半円状の跡が残ってます 見えるかな

接着成分が箱に残ると後々埃がくっついて黒っぽくなりますので、コーティング部分をウェットティッシュで軽く湿らせ、念入りに洗浄した親指の腹で擦り取ります。仕事よりも心血注いでやってたかも知んない。

 

シーリングを解除したら、いよいよブリスターごと本体を取り出します。言い忘れてましたが作業中の私は基本素手です。軍手は生地が厚すぎてディテール(特にアホ毛)を破損する恐れがあり、薄い手袋の表面はツルツルすぎて小さなパーツを滑り落とす可能性があるからです。なので作業フェースが進むごとにウェットティッシュ、それも最近品薄の除菌タイプを惜しげもなく使いまくりました。

 

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胸の高鳴りで死にそうなのだが続けよう

ここから脚部を台座に固定し、マイクを左手に持たせる作業です。いくら洗浄したところで私の手は不浄なので、フィギュアには直接触れないよう、全身を覆っているビニール素材越しに響ちゃんの綺麗にくびれた脇腹をつかみ、台座の穴にブーツ裏の突起を差し込みました。この感触、ぴったりハマる時に成形状態からほんの少し脚が動くところにエロティシズムを垣間見ました。

 

マイクはパーツが小さいので、親指と人差し指で直接つかんで左手のグリップに差し込みました。あぁ、どうかこんな些細な作業上の手抜きが響ちゃんに新型コロナウィルスを持ち込みませんように。

 

そして、動物的に揺れるポニーテールと身体の間に挟まった緩衝材を取り出し、ビニール素材を剥ぎ取りますと、

 

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箱から出してなんぼやで

私に天使が舞い降りた。思わず合掌したくなる神々しさです。

 

立派なショーケースを用意しようとボークス大阪ショールームに勇んで行って来ました。が。

 

じぇ「7分の1サイズの私の嫁に似合う素敵なケースありますか」
店員「ハードタイプが品切れ中でして、ホビーベースのソフトタイプは在庫がございます」

 

ボークスの店員さんはいつどんな客が来ても親切ね。せっかく来たので見せてもらおうか、ホワイトベースのソフトタイプのモビルスーツの性能とやらを。

 

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こんなんあるて知らなんだ

あのね、うん、もう見るまでもなく結論は出てた。私はきょう、響ちゃんを箱から出したかった。だからハードタイプの立派なケースを予約していつ入荷するやら分からない状態でこの梅雨を乗り切る自信がなかった。なので買いました。いずれいいものが出たらお引っ越ししましょうね。UV90%以上オフと書いてあるけど、全部凌げなくても意味あるのかな……。

 

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人生で1、2を争う緊張の瞬間

ケースの組み立てはことのほか簡単でした。ベースを置いて、その上に響ちゃんを監禁設置して、天地のない4面フィルムを上から差し込んで、フィルムと同じ材質のフタをするだけです。これで1,280円だと?えぇい、お値打ち品じゃないか。

 

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ハァ……いい。いいよ。

こうして私だけの響ちゃんプロジェクトは無事完了し、これからビール飲みながら見つめ合おうかなというコンディションです。フィギュアを箱から出すことの意味、その作業にともなう私の愛をだらだらと書き上げました。ここまで読んでいただきありがとうございました。来週はゲームの人に戻ると思います。

 

追伸 現状1件のAmazonレビューがレビューの名を冠するに値しないキモブログみたいになっているので、これを是正するためのレビューを投稿しています。よろしければいいね!をお願いします。世のフィギュア趣味への誤解がこれ以上広がりませんように。

 

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