working-report 2回戦

ゲーム脳はゲーム脳のままで熱を失うだけ

イヤーリング・インフェルノ

皆様こんにちは。10月の録画数が週40本に届きそうで全部見てたらブログどころではないです。再放送をある程度厳選しないといけません。ロードエルメロイ2世の事件簿は初回放送時の録画に失敗しているので必ず見ます。ゆるキャン△も見ます。生徒会役員共*は……もういいかな。

 

かつて小学生だった私にとって耳かきは恐怖の時間で、おかんが定期的に私を呼びつけて両の穴を掘るのです。これがありえへんくらい痛くてな。

耳の内壁に棒の先端を突き刺さんばかりの力加減で、ネコが決まった場所で爪を研ぐように何度も同じところを繰り返し掘る。というより、彫る。

私の両耳の形は微妙に違っていて、特に左耳は当時からかさぶたっぽいものが出来ていて、これに触れられると飛び上がるほど痛むのです。耐えかねておかんに文句を言ったこと一度や二度ではないのですがおかんのいうことはいつもひとつ。

 

「そない痛がるて、あんたの耳おかしんちゃうか」

 

テレビで見かける耳掃除のシーンは例外なく掘られている側が「気持ちいい〜♡」と言ってるのに(ヴィーナス白雪に耳かきしてもらってるスーパーゼウス八奈見乗児さん思い出すわ)。

だって今、近所の耳鼻科の先生に治療とあわせて耳掃除してもらってますけど、間違いなく先生のほうが上手いし、この年にしてようやく耳かきの何が気持ちいいのかを理解したぐらいです。おかんのは拷問です。

 

さて、何気なくブログを更新しつつ、先々週からgentlyは外耳炎でのたうち回ってました。

 

9月26日土曜日。無限の住人を見ながら左耳をセルフでわしわしやってるときに、しばらく綿棒掃除を怠って聞こえが悪くなったせいで思わず力が入ったんでしょう、ブチッと音がしましてね。

直後は痛みもなかったので全く気にしてなかったんですが、翌日、会社の同期がやってきて「メイドインアビス 深き魂の黎明」を見て情緒不安定になっている最中の黒綿棒がしっとりし始め、においを嗅ぐとこれが死ぬほど生臭いのです。

自分の体内から出てきたものとしては年齢も年齢なのでなるべく出さないように心掛けているアレよりも生臭い。最近色がおかしいんだけど大丈夫かな。

 

血液とは違う、有機的なにおいの正体が膿であることに気づいた時にはすでに手遅れで、月曜の朝には耳を中心に顔面の左半分が、秘孔を突かれたジャギ様、とまではいかなくともパンパンに腫れ上がり、そのために耳孔も塞がって音が通らなくなり、錐で突き刺すような痛みの日々が始まりました。

あまりの激痛のために夜は眠れず、明け方近くにまどろんだ程度で出勤するもほとんど仕事が手につかず、午後からおうちの近所の専門医に直行しました。

 

午前の外来終了ぎりぎりに滑り込んでみたら子供が多くいて大変賑やかでした。子供は鼻とか耳とか穴のあるところに必ず指を突っ込みますからね。大人もか。

病院内でぺたぺたスマホをいじくるのは抵抗があるので、カバンに入っていた都構想ハンドブックを取り出して読み始めたところ

 

母「ほらー、ここでしゅっしゅーてしな」
娘「はーい、しゅっしゅー?なにこれ?」
母「ばいきん消毒するアルコールやでえ」
娘「しょうどくかーしりとりしよ!アルコール!」
母「ルクセンブルク
娘「く、くま!」
母「マントヒヒ」
娘「ヒント!」
母「豆腐」
娘「ふ、ふー?ふーなぁ、ないんちゃう?」

 

全く内容が頭に入ってこない都構想ハンドブックをぱたんと閉じて目も閉じました。

ふで始まるものなんて世界にたくさんあるよ?嫁との同居に疲れた人のふしあわせ。飲み過ぎ食べ過ぎで命を落とすふせっせい。モテる者とモテざる者のふびょうどう。飲み会で女の子をべたべたさわりに行くふきんしん。不倫に代表されるふじゅんいせいこうゆう。

それは喜ばしいものではないかもしれない。しかし、「ふ」があること、つまり「負」があることで引き立つものがあるから人間は生きているんだと思うよ。まだ難しかったかな。

初手の「ル」で勝ちを確信したであろうに、まさか欧州の小国で切り返して勝ちに来る大人げないお母さんに押されまくりの娘さんを助けてあげたいけど、助けてあげた瞬間私が刑事的、民事的もしくはその両方で助けてもらわねばならなくなるかもしれないのでやめときました。

この世にはハニートラップとファニートラップが存在する。

 

診断室に近い待合では、前の患者さんが何を相談しているのかもよく聞こえてきます

 

患者「せやからな、自律神経がおかしいと思うねん」
医師「自律神経があかんと鼻と耳の圧の調子が悪くなるけど、なんでそう思うの?」
患者「せやから自律神経がな」
医師「そない言わはるからこないだお薬出したけど、飲んではりますの?」
患者「半分残ってる」
医師「飲んでませんのか?ほな調子ええんですやん」

 

これが地域医療の実態です。

正常な判断能力を狂わせる呪文のようなトークをさらりと躱し切る精神的機動力。

正確な診断よりも瞬発力、人間力が求められるとはこのことか。研修医にマネできるものではないな。というかこんな爺さんの話聞いた後に私の話とかちゃんと聞いてもらえるんだろうか。

 

医師「どうしましたか」
じぇ「耳かき中にガリっとやってから腫れてきました」
医師「見せてください、あー」

 

診察約1分。結果は「ひどい外耳炎」。抗生物質と頓服の処方箋をもらって次は近所の薬局へ。

 

薬師「今回はどうされたんですか」
じぇ「外耳炎だそうです」
薬師「そうですか……おだいじに」

 

かかりつけ薬局になると、若い女性の薬剤師さんが患者に何があったのか聞く義務でもあるのかな。凄い痛そうな顔をしてくれるのは患者さんの気持ちに寄り添うってやつかな。その割にコメントが淡白だな。

別れてかれこれ1年経つあの子も医療系の人でしたけど、この職種の方々は♪お仕事でやってるだけかもよ!みんな神様じゃなくて人間ですからね。

 

その夜。抗生物質を飲んでも一向に腫れが引かず、虎の子の頓服も服用から2時間余りで効果が切れ、ドリルでほじくられるような激痛に襲われながらベッドで悶絶してました。

ほじくられているのは耳の穴です。あ、もちろん例えであって本当にドリルでほじくられているわけではないです。もしかしたら、死ぬのではないか。2日まともに眠れないと考えることが極端になります。

 

結局次の日もほとんど仕事にならないありさまで、次の服用まで6時間というインターバルを墨守しながらなんとか頓服の連用で持たせつつ、再び病院へ。

 

医師「あーこりゃだいぶひどいなぁ、穴がふさがってます」
じぇ「ええもうそれはきのうから」
医師「口は開きますか?あーこんだけ開いたら大丈夫だね」
じぇ「開くと結構痛むんですが」
医師「ステロイド使うと一発なんだけど、眼圧が上がる」
じぇ「ここで緑内障がネックになるとは」
医師「とりあえず点耳薬を2つ出しますから様子を見ましょう」

 

マスクをしているので腫れの兆候が見えなかったのかもしれませんが、先生は見立てが甘かったことを認めました。それにしても腫瘍には物理攻撃が一番です。処方箋をもらって連日の薬局へ。

 

薬師「え、今日もですか?」
じぇ「それはもうひどい外耳炎だそうで」
薬師「まあ……痛そう……とっても心配です」

 

これはお仕事これはお仕事これはお仕事これはお仕事これはお仕事。

帰宅してさっそく点耳したのですが、耳はある。しかし、耳の穴がない。穴と思しき地点にドロップしたら、本来そこにあるはずのない腫れた肉塊が穴を塞いでいるのです。

 

確かに、月曜から耳たぶをさわるのも怖いくらいに腫れがひどかっったんですが、まさかここまでとは思わず、こわごわ耳たぶを引っ張って、かろうじて開いた隙間に点耳薬の先っぽを差し込んで(これがまた死ぬほど痛い)、発射。知ってるかい?私は続けてもう1回、これをやったんだぜ……。

 

点耳薬 の こうか は ばつぐんだ!!

 

待つこと数分。悪夢のごとき激痛の夜は去り、ようやく安眠を手に入れることができました。耳に差すだけで痛みは劇的に改善するんですね。

 

そこからはトントン拍子で、点耳開始から4日目の金曜日には腫れが引いて風がびゅるるるーと通る音が混ざりながらも聴力が戻り、おとといの日曜日には聞こえの違和感を残す程度まで回復。

まるまる1週間、一滴も飲酒していなかったので(頓服のカロナールはアルコールと反応して激痛を催すと先生から脅されました)、1週間ぶりにバーへ出かけて月曜日に二日酔いという学習しないスパイラル。つらいことこの上ない1週間がようやく終わったのでした。

 

とはいえ現在も継続治療中です。聞こえる程度に回復してもキツい腫れが残っているそうで、きのうの診察中に先生がぼそっと言いました。

 

「gentlyさんは自分で耳をさわらないほうがいいね」

 

それは再三痛がってくれる薬剤師さんにやってもらえってことですか。いくら払ったらいいんですか。

 

皆さんも耳掃除はこまめに優しく行うことを心がけましょう。家族がいるなら家族にやってもらいましょう。おかんの耳掃除だけは絶対断りましょう。

さ、今夜もアニメをみよう。今度はハードディスクがパンクする。