working-report 2回戦

ゲーム脳はゲーム脳のままで熱を失うだけ

紅玉に魅了される

先日「出会う」話をしましたが、私もついに今年最初の出会いを果たしました。

 

 

 

黒澤ルビィちゃんがヤヴァイ。人の皮をかぶった悪魔。可愛すぎて見ている我々の脳漿が爆発すると金髪の人も言っているように(プリティボンバヘーッの正しい意味を知らないのでどなたか教えてください)、このシーンは私の心をつかんで振り回して放しませんでした。

 

ラブライブ!サンシャイン!!」の初回放送から4年も経っていまさら何を言っておるのだとお思いでしょう。あのころの私には出会う余裕がなかったのです。あんなに楽な職場と言われた環境で肉体精神ともに疲弊しきっていた私は、彼女にたどり着けなかったのでした。当時、1話目を見終えた時点でどんなことを思っていたか。

 

「眩しすぎる。こんな楽しそうな話はつらい。死にたい。」

 

朝になると喘息がぶり返したのかと思うほどの空咳と発作に苦しみ、上司が心配して東京の仮住まいまでお見舞いに来ていただくなど、多大なご心配とご迷惑をおかけしていたころです。出向元から休務者調書の提出を求められるほど休むことになろうとは思わず、休職の手続きを取ることも出来ずに所定の年次有給休暇が底をつくところまで行きました。まぁ、今まで消化不良で何十日も腐らせていたことのほうが異常だったのかもしれませんが。

 

人間は簡単には死なないと言います。しかし、死にはせずとも脆い生物です。他の動物より複雑な社会性を獲得したことで脳が大きくなり、手に余る問題を仮想的に抱え込めるようになった一方で、それら問題への対処能力が追い付かなければメンタリティはあっさりと崩れます。それを会社では「無能」というらしく、耐えられない人間は出世できないばかりか、人として劣っていると見くびられてしまうのです。

 

半面、人間は本当につらいことを忘れやすい生き物でもあります。それは忘れっぽいからではなく、ちゃんと生きていけることを前提に体が設計されているからです。それすらダメになってしまって自ら命を絶つ人が年間2万人もいるのですから、日本で生きることは世界の中でもかなり難しい部類に入るのでしょう。

 

勤勉な人間であれば、与えられた仕事はちゃんと全うしたいと思うものです。ただ、その勤勉さに見合う、学びでは解決できない能力、具体的には長時間労働、業務上のプレッシャー、有能な周囲との軋轢などの負荷(出世がかかっているのですから上昇負荷もしくはアビスの呪いと呼びましょう)に耐える精神的、肉体的強度が欠けているために苦しみ、その状態を周囲から「無能」とラベリングされる、あるいはされていなくてもそう思い込むことで自尊心の揺らぎ(特に学卒は学歴こそが自分だと思い込んでいる節があるので振れ幅がデカい)が生じ、自らを肯定できなくなるのです。

 

社会問題化している自殺、ニート、ひきこもりの大半は、こうした自己肯定の欠如に起因するのでしょう。思い返すと社会人になった直後は使命感とかやる気とか、そうあるべきだと奮起する心のようなものもありました。でも結局、そういう気持ちが却って自分を苦しめる結果になったわけですからね。先天的能力に見合わない情熱は人を苛み殺すのです。

 

そんなどうでもええことはともかくルビィちゃんです。ラブライブ!」を軽視していたわけではないけどエリーチカ以外見えてなかった自分が呪わしい。西田亜沙子さんの描く女の子たちはお肌がつやっつやで肉付きもよく健康的な色気に満ちています。Aqoursで最も小さいルビィちゃんがのびのびとスクールアイドルを楽しんでいる様子は、色気が間引かれた分、純粋無垢な可愛らしさが、

 

こう、

 

画面に、

 

パーっとお花が咲いたように見えるのです。私が小学生のころ、女子高校生と言えば俄然年上のお姉さんだったのに、不惑を過ぎると小学生と見分けがつかなくなるんですね。一番小さい悪魔だから仕方ないのか。

 

これからまっさらな、何も知らない状態でAqoursの物語を見る私の楽しみがご理解いただけるでしょうか。μ'sは見てました。人生では後輩であり、ラブライバーとしては大先輩のモヒカン先生が言うには「上手い声優とド素人が絶妙に混ざった衆」。新田恵海南條愛乃内田彩三森すずこ飯田里穂Pile楠田亜衣奈久保ユリカ徳井青空(敬称略)。誰がどっちなのかは戦争になるのでこれ以上の詮索は止めておきましょう。私はみんな上手かったと思う。うん。本当だよ。くっすんの偽関西弁はキャラ付け考えた奴の責任であってくっすんの責任ではない。彼女たちがまさか紅白歌合戦に出場するとは夢にも思いませんでしたが、パフォーマンスを見ていた限りではみんなスタイルもよくて衣装映えのする美人さんでしたね。売れるから美人さんになったのか、もともと美人さんだから売れたのか。

 

大塚明夫さんが声優なんてなるもんじゃない、テレビや舞台に出られない役者崩れが糊口をしのぐためにやるものだとおっしゃっていた時代は確かにあったのでしょうし、今もこのお仕事にはそのような側面があることは理解できます。しかし彼女たちは違う世界の扉を押し開けたというか、職業の概念を一変させてしまった感があり、憧れから声優の門をたたく若い人が増え、結果として恐ろしく狭き門の現実に打ちのめされて地に足ついた世界へ帰ってゆくという状況が続いているのだろうと思います。

 

続けてモヒカン先生が言うには、ルビィちゃんには決め台詞があるそうで

 

 

 

がんばるビィ!

 

こらこら。そんなこと言われたらおじさん、三大成人病が発症する前に限界突破の頑張りと過労で他界してしまうよ?まったく誰だ、こんな社畜量産ビデオを作ったのは(ネタバレシーンもあると思われるので中身は見てません)。こんな小さい悪魔に、こんなに可愛らしく励まされたら、死んだことすら気付けないくらい働いてしまうじゃないか。

 

ところでそのがんばるビィ、実はルビィちゃん自身が頑張るための気合の一声であって、高血糖高血圧高尿酸の中年アニメオタクに向けたエールではないとの意見の方はいますか。いたらどうぞ申告してください。戦争をしましょう。

 

読み返すと、何の話かさっぱり分からんな……