working-report 2回戦

ゲーム脳はゲーム脳のままで熱を失うだけ

Time goes by, without me.

来年から経理事務を担当している社員が休職に入るので、業務の引き継ぎと顔面の引き攣りが同時に来ているgentlyです。所帯の小さい会社で実務のベテランが突然いなくなるのは本当に恐ろしくて、月次決算(貸借対照表損益計算書の対前年比較、対予算比較と分析)、資金実績と計画の更新(調達要否の検討、金融機関交渉を含む)、各種税金の納付と申告(今年度は電子申告初年度)、償却資産の管理(独特の固定資産管理システムとの闘い)、予算の管理(親会社の中期経営計画に沿った複数年計画の立案)、いずれにおいても担当者しか知らないことが地雷原のように埋設されている状況です。五体満足で年度を渡り切れるかな。まぁ絶対無理でしょう。

 

新型コロナウイルス感染拡大防止のために発令された国の緊急事態宣言を受けて、人が密になる環境を避ける趣旨から押っ取り刀で始まったテレワークは1年足らずの間に急速に広まり、私が今いる会社も例外ではありません。7月に異動してきてから、やり方は異なりますが自宅で勤務できる環境が一応整っています。事務所に紙資料多くて全然在宅できてないけどな。

 

休職に入る社員はご家庭の事情で現在も週4のテレワークを続けており、感染状況が緩和し始めた(というより対応に疲れて緊張が緩和し始めた)秋口ごろには当社の親会社がテレワークを全面解除した(それでお客さんにはテレワークをお願いしてるんですからエライ会社です)にもかかわらずこの状態を続けるのは、制度上担保されない状態が長期化し、職場復帰を遠ざけるという意味で良くないという認識が社長にあり、社員の出社時に、今後少しでも出勤日数を増やせるように、ご家庭の事情解決に向けて行動するよう促しました。

 

しかし、私はこのままでも全く問題なかったのです。

 

なんでって、その社員がほぼ在宅でも業務が回転することが分かったのですから。

 

そりゃね、会社制度として未整備であること以外にも賃金待遇とか労務管理とか当人のキャリア形成とか、課題はいろいろありますよ。だけど、実務が円滑に回っていて、季節が秋から冬に移ろう中で再び感染拡大の予兆が見えてきた今、あえて社員の行動変容を促したことには疑問を感じています。

 

なぜなら社員はその後、年内いっぱいの退職を申し出たからです。

 

最悪の目が出た。今辞められたら一番困るのは私じゃないか。着任から1年も経たない中、年度業務を俯瞰しないうちにベテランが抜けたら何が起こるか分かったものではない。全身全霊をもって翻意させなければ。

 

というわけで、上司と再三にわたり協議した結果、その選択が最善とは限らないんだよということを説明するために会社の休職制度、雇用保険社会保険、公的給付について調べまくり、年内退職した場合と、制度を目いっぱい利用した場合のそれぞれにおいて受給額、社員資格の保持期間が一目で比較できる資料を必死こいて作りました。総務課長兼経理課長兼人事課長兼IT課長兼宴会課長は大車輪を通り越して火の車の働きでした。

 

ようやく出来上がったそれをお見せしながら社員に説明して、さらに1週間後。

 

社員「検討しまして、休職することにします」

 

こんなときでも成果が出るとうれしいものですね。心の底から、よく決断した、本当によかった、大日本帝国万歳三唱したかったですよ。やったことがちゃんと報われた。まずは一安心。で、申請に必要な資料について再び調べまくり、手続きに遺漏がないよう仕向けているのが今です。

 

話は冒頭に戻り、社員資格を保持するとはいえ1年間、在宅勤務の経理帳票作成がお留守になるのですから、私の事務負担は当然増えます。それを可視化して手分けするために、私の見えないところで社員がどれだけの業務量を処理しているのかリストアップしてくれとお願いして届いたのは、

 

Excelにして100行超の膨大なタスクでした。

卒倒しそうになった。

 

今週、なにゆえ私がアイドルを求め、非現実に逃避したいと願っていたか、この顛末でお分かりいただけたなら幸いです。来年など、永遠に未来のままフィックスされてしまえばいいのに。