working-report 2回戦

ゲーム脳はゲーム脳のままで熱を失うだけ

名前と性とゲームと自由

前身のブログを2007年7月から始めて、2016年9月までの9年間に700本近い記事を書きましたが、閉鎖と同時にデータも消去されたようで本当に良かったです。2009年ごろに買ったVAIOのサルベージ作業中に当時の下書きデータが出てきて興味本位で読み返したら居たたまれなくなりました。この感覚を言い表そうとすると陳腐過ぎて上手く伝わらないのですが、総じて未熟です。過去を未熟と感じられるうちは文才の伸びしろがあるのだと思うことにしましょう。このブログだって、何本かはつらい。

 

最近ゲーム方面では「Grace」名義を使います。「gently」には一応由来があって、高校時代にホームステイさせてもらったオーストラリアの家庭で

 

「ユーの名前の字にはどんな意味があるんダイ?」
(一応断っておきますが英語です)

「優しさ、振舞いの良さみたいな意味だ」
(自分で書いてて死にたくなります)

「オー!ユーはgentlemanダネ!デモgentsミタイに侮る意味もあるカラ、gentlyにシヨッカ」

 

それは形容詞ですが問題ないのでしょうか?それに侮蔑的な用法から逃げ切れていないのではありませんか?と聞いたら、愛称に形容詞も動詞も名詞もあるものか、日本では話すときにいちいちそんなことを気にして英語を習うのかい?HAHAHAこいつは傑作ダネ!と言ったかどうかは忘れましたが、道理で日本人は中学高校で最低6年も習ってるのに話せないわけです。文法と形式に添い過ぎて英語を文章としか捉えておらず、言語としての自由を失っているためにすらすら話すために必要な感覚が育ちません。一々イディオムがどうの文型がどうのなんて考えずに扱うのが言語です。日本語を話すときの感覚が英語にはない。受験科目化の悪弊です。

 

で、ゲーム界隈で名前を変えたのは、使っているキャラクターもしくはアバターが女の子だからです。フランス語と違って英語には男性名詞とか女性名詞みたいな区別はないんですけど、gentleという紳士的なニュアンスを含む言葉の類縁にあたるgentlyをそのまま女の子キャラクターに当てはめると違和感があるので、女性的な優美、優雅を意味するGraceにしました。欧米の女優さんにも同じ名前の人いますよね。可愛くて品のあるキャラクターを作ったり使ったり、バーチャル空間上の振る舞いもそのようでありたいというあやかりですあやかり。

 

こういう話をすると、性的不安定性を揶揄し、革靴の非通気性に由来する有機的臭気を指摘し、頭部毛髪の質量的不足を愚弄するそれぞれの言葉に続けて、現世からの即時退去を端的に要請するコメントがかつてのブログに大量に押し寄せてきたものです。ゲーム上で女の子のふりをしたことは1……回ぐらいはあったかもしれませんが、基本的にありません。かといって敢えて自分から

 

「私の現世の姿はアニメとゲームが大好きな中年サラリーマンです、帰宅して靴下嗅いだら卒倒しそうになりますがハゲではありません!よろしくねっ♡」

 

こんな卑屈な自己紹介する奴と一緒にみんGOLやらんでしょう。アバターやキャラクターを自分の似姿にする必要なんて当然ないわけで、好きなように遊んでいいはずです。さほど親しくない、ゲームで何度か一緒に遊んだ程度の相手の個人情報の秘匿性に気を配れないのはデリカシーを欠いていると言わざるを得ません。これでもし私の性的自認と体の構造に差異があったらどんな問題になるんでしょうね。そういったことを含めてほっといてあげるのが一番いいことだと思います。

 

結論。本厄前後で足が臭くてハゲてても、女の子のアバターを使っちゃいけないなんてことはないんだよ。ゲームしている時ぐらい、社会と性別に与えられた役割の軛から解き放たれて、好きに遊んでいいんだよ。ネカマやりたけりゃやってていいんだよ。ただ、過度な夢を見させて期待を煽るのは、相手を傷つけているのと変わりがないんだよ。アイカツおじさんもプリパラおじさんもいていいんだよ。ただ、いい歳こいたオッサンが周囲に目配りできないのはとても恥ずかしいから、本当に遊びたい子供たちに絶対迷惑をかけちゃいけないんだよ。