working-report 2回戦

ゲーム脳はゲーム脳のままで熱を失うだけ

7>4>9>8

圧倒的にティファちゃん推しだったのに、ユフィちゃんの故郷ウータイのストーリーを進めてみたら圧倒的にユフィちゃん推しになってしまったゲーム廃人はここですおまわりさん。皆さんはプレイしましたか?ファイナルファンタジー7。

 

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背中で語る男はそうそういない

むかしの。

 

私の初プレイは23年前です。1日4時間しか眠らず、青春のだいたいすべてを大学受験に捧げた暗黒時代を経て、長らく遠ざかっていたゲーム文化との再会を果たした1998年。任天堂に回帰するかソニーに転向するかほとんど迷うことなく、一度も引き出したことのない郵便貯金で買ったのが初代プレイステーションと、フロントミッションオルタナティヴ、そしてファイナルファンタジー(以後FFと表記)7でした。両タイトルとも高校時代の末期にリリースされ、それなりに時間が経って、すこし旬を過ぎたにもかかわらず感動に震えていました。左から右、下から上のスクロールしか知らなかった私が初めて3DCGを見た驚きは筆舌に尽くしがたく、メタルギアソリッドFF8(はテクスチャがなぜか7より粗くてCGパート以外のリノアが全然よくなかった)および9(アニメ風になったのでリアル路線はあきらめたんだなと思った)と私が歩んだ3DCGの系譜の中でいまだに燦然と輝く名作です。10以降は知らん。やろうと思ったことすらない。

当時から見ると現在のゲーム等におけるテクスチャは格段の進歩を遂げ、リアルよりリアルっぽい質感の表現に成功していますが、その分私たちが頭を使って補ってきたビジュアルを想像する楽しみがなくなってしまったと思います。40代前後のぬるゲーマーはドット絵時代からテレビゲームに親しみ、点の集合体でしかないキャラクターの動きから見た目以上の何かを読み取っていました。今はそれらすべてが視覚を通じて提供され、とても贅沢なことなのは分かっているのですが、却って物足りなさを感じてしまうのは単なる屈折なのか、どうなのか。

それに音楽。今回の再プレイでミスリルマインに入った時、アンニュイなあの曲が聞こえてきたときは誇張なしで鳥肌が立ちました。でも、エアリスのテーマが一番かな。

 

ゴールドソーサーをデートするシーンでは花火の音にかき消されそうなゴンドラ車内で

 

「私、あなたに、会いたい」

「……俺はここにいる」

 

すれ違う言葉の数々。もどかしさとは少し異なる、彼女だけが知っていて、クラウドさんもしくは私が知らない、クラウドさんもしくは私。何言ってんだ。

胸の奥に穴が開いたような感覚に襲われるあのラストシーンは後述します。思い出しただけで泣きそうになります。

 

そんな昔の事どもと初回プレイの記憶を引き出しながらFF7攻略にいそしんだ結果、アイシクルエリアの森を抜け、へったくそなスノーボード操作を経て大氷河に達しました。クラウドさんのレベルは49。

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前はもっと遊んでたたから60時間超えてた気がする

「だいぶ終盤ですね」
「海行ってないんすか」
「いきのいい青チョコボが」
「ウェポンは3つになってて」
「インターナショナルではない?」

ゲストの皆様から一斉におっしゃられましても、プレイ中のgentlyの言語処理能力は混乱の極みにあります。断片的にそういやそんなのあったなと思い出せても、肝心の「どうやったのか」を全く思い出せません。いまだにぶっ壊れた水上機で浅瀬を這い回ることしかできず、あれ、このロケット飛ぶんじゃなかったっけ?とか関係ないことを考えたり、ルナティックパンドラはどう行くんだっけと考え始めてそれはFF8だったと思い直したり。私は攻略サイトとか絶対に見ない主義なので、すべてが手さぐりの場当たりです。あれを見た途端、せっかくの楽しみが作業になってしまう気がするのです。会社の元後輩から「それは時間の無駄ですよ」と言われ、無駄を楽しむのがゲームの、特にRPGの醍醐味ではなかったかと言いそうになってやめました。

 

これより少し手前、ゴールドソーサーのホテルのロビーで旅のまとめを求められたクラウドさんが突然黒マテリアがどうのこうの言い出したときは正直困りました。プレイ開始以来20時間あまり、黒マテリアの話なんてどこで聞いたのか思い出せなかったからです。もしかして、いくつか踏むべきポイントをやり過ごしている?あんなに無駄に歩き回ったつもりでも見逃すことなんてあるのか。そういえば、フィールドマップのどこかに無造作にマテリアが落っこちてるところがあったような。それも海に出てからの話かな。まぁいいや頑張ろう、高校野球も雨で流れてることだし。

進行上の混沌の中、コスモキャニオンで父・セトの真実を見届けたナナキ(レッド13)のエピソード。年は取りたくないですね。稠密とは言い難いグラフィックで描かれたセトの姿を見た時、長老ブーゲンハーゲンとともに「おお、セトよ…」言いながらもらい泣きしてしまいました。矢を全身に受けて石になったセトの目から涙がはらはらと落ちるんです。美麗ではないのに、なんて美しいシーンなんだろう。

 

そして。セフィロスさんの凶刃に倒れたエアリスさんの髪飾りが点々と跳ね、それを見届けたへそ出しギャル2人(できることならクラウドさんも女装化させたままにしたい)の動き。あんなに少ない動きの中で、声もなく、どうしてあんなにも彼女たちの悲しみが伝わるのか。表現素材が十分揃っている現在ですら、これほどに心動かされるシーンを見た覚えがありません。強いて「見た」と言えるのは、キングダムカム・デリバランスの超序盤、抵抗虚しく父と母が無残に殺されるのをただ眺めていることしかできなかった主人公の無表情くらいでしょうかね。それもバーの店長にやらせといて私は酒飲みながら眺めてるだけでしたが。

 

さて本題のユフィちゃんです。23年前は仲間にすることを断念したのを覚えています。「断念した」はおかしいな。だって、仲間になると思ってなかったから。いきなりセーブポイントの罠にはまり、そこから始まる会話の選択肢をことごとく間違え、間違えるたびにギルかアイテムか何かが盗まれ、やっと名前が聞けると思ったら先に名乗れバーカバーカ!ってトンズラされ、エロゲ並みに困難なミッションを耐え抜く精神力が備わっていなかったのです。当時の私はオタクではなかったから。大学の名前だけで女の子はべらせて暮らすつもりしてたから。アホやんけ。このような次第で、たとえ仲間になったとしても使うわけがないと思い捨て置いたのです。くやしまぎれに。

それでさ。今回仲間にして、ウータイに初めて行ったんです。もうレベル40超えてたけど行ったんですよ。何が起きるかはね、人の話聞いてたんでだいたい知ってましたけどね、分かってても全部のマテリア強奪された直後はあの小娘ぶっ〇してやると思いました。マテリアのない戦いなんて考えられませんので、先に古代種の神殿でマテリア装備できない強力な武器取っといてよかったですよ。つまり、ゴンガガで目覚める直前にエアリスさんが夢枕に立ったのに観光地に行ってたわけだ。

再登場するコルネオの話なんてどうでもよくて、五強の塔。最後の親父との死闘は違う意味で泣きそうでした。もうちょっとでとどめを刺せるだろうところで回復フェーズに入るのです。決着まで30分かかりました。毒系の魔法かけて防御していれば勝手にやられてくれるんですね。また、バトル時のカメラワークが向正面の1点に固定され、コマンドに入るときだけスーッと動かすパターンは画面に緊張感がみなぎってとてもクールです。

死闘の果てにリヴァイアサンのマテリアと究極リミット技を親父から渡され、仕事が済んだら不要になるマテリアもらってこいのなんの悪企みする親子の会話が、あんなに腹立たしかったのにすべてを許せるほっこり感がありましてね。ようし、育ててやろうじゃないの、オニャノコ2人引き連れてラスボス倒してやろうじゃないのと決意したのです。ここまでシドさん一回も使ってませんけどいいよね。

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かわいい召喚ポーズ てか、寒そう



「え、ファイナルヘブン取ってないんすか」

それ取り方知らんのです。攻略法は見ない。絶対見ない。

「ピアノ弾きに行ったらいいんすよ」

あー……そう……なんだ。じゃぁニブルヘイムに行こう。考えても出なさそうな答えだったし。記憶の中に続いて2回目に神羅屋敷行ったとき、さわれんかったと思うけど、解放条件があるんだろうか。

名作は時が過ぎてもやはり名作でした。もはや懐かしくすらなく普通に面白い。これも老害と言われるんでしょうね。リメイクはなーんか違う気がするんだよねぇ。特にユフィちゃんの顔が。もっとやんちゃそうな子にしてほしかった。