皆様こんにちは。メガネとつきあい始めて30年以上経ちました。父方が全員近眼でメガネ利用者の家系だったせいか、小学5年で私も例にもれずひどい近眼になり、メガネをかけ始めました。学級初のメガネデビューをするとあだ名はだいたいメガネザルです。
高校でコンタクトレンズデビューしたのに、社会人になって心身は言わずもがな、特に目への負担が激烈すぎてメガネに戻しました。入社から半年経った頃、1日15時間くらいディスプレイと書類見てました。すると使い捨てのソフトレンズが眼球に貼りつくんです。マイティアCL差しても治らないので、レンズとの境界面に爪入れて取ってました。眼球さわるのが当たり前になっちゃうと、緑内障にもなっちゃうわな。
世界のメガネユーザーに仲間入りした私たち共通の悩み。レンズの汚れ、どうしてますか。
眼鏡屋さんはケースとマイクロファイバー1枚、より親切なところだとクレープ加工した柔らかい紙をくれたりしますよね。これが何を意味するかって、家にあるティッシュペーパーとかハンカチとかハンドタオルとか、繊維の目が粗い布では拭くなってことです。傷が入るんですよね。
しかし。たとえばラーメンを食べてる最中、あまりのおいしさにすすりの勢いが激しすぎたせいで、汁はねがメガネについたら、どうしましょう。
アメリカ人ならラーメン屋の大将を訴えるかもしれませんが、普通の日本人はとっさに拭きたくなると思います。どんぶり見づらいし、味に集中できんし。
それでいったん箸とレンゲを置いてカバンの中をまさぐって、メガネケースを出して、フタ開けて、マイクロファイバー取り出して拭こうとして、気づくんですよ。
今回はそれでいいかもしれない。でも次拭くときはどうなるんだ。一滴とはいえ、ラーメンの汁を吸い込んだ布で拭くのか。さらに汚れるんじゃないのか。今必要なのはこれじゃない気がする。それに、マイクロファイバーはお洗濯すると毛羽が立つのか何なのか、細かい繊維がメガネにくっついたりすることがある。いやしかし拭くものがない。これは困った。などと考えてるうちにラーメンが伸びます。万事休す。
この状況における最適行動は「気にせず食事を続ける」だと私は思ってるんですが、放っておくと油分が凝固して取れにくくなるとか余計なことを考えるので、集中できないデメリットは残ります。紙のメガネクリーナって、いざってときに持ってないんですよね。カバンにそのまま入れとくとくしゃくしゃになるし。
あまり大勢の共感を得られそうにない地味な悩みを解決するスーパーアイテムが、とっくの昔に売られてました。
その名もメガネクリーナふきふき(以下、ふきふき)。用途と動詞がそのまま商品名になる分かりやすさ。開発・発売元の小林製薬は今それどころではなさそうですが。
1枚ずつ個包装されたふきふきはほんのり湿り気を含み、汚れ落としとくもり止めを兼ねています。20包入りで400円少々。
なにがが便利かって、劇的にきれいになるんですよ。正直、マイクロファイバーの比ではないくらい。レンズとフレームの境界、顔脂がくすぶって白っぽくなってるところも薙ぎ払うようにひと拭きです。湿り気が絶妙なので拭き跡も残りません。メガネ全体をふきふきした後はゴミ箱ポイです。お洗濯も固まる油脂もきれいさっぱりお別れです。
……こんな便利なアイテムをもってしても、解決できない事態が先日起きました。ラーメンを食べるために俯いたら、メガネがどんぶりに落ちました。即座に拾い上げたものの、スープでひたひたになったメガネを眺めてたら大将が気づいて「えーらいこっちゃ!」言いながらダスターをたくさんくれました。大将ありがとう。でもダスターでメガネは拭けない。マイクロファイバー1枚捨てました。
罪を憎んで麺を憎まず。これにて一件落着。したかな。