working-report 2回戦

ゲーム脳はゲーム脳のままで熱を失うだけ

明日に架ける橋

左足首に無痛のこぶが2つ出来たのは3か月くらい前です。「痛まなければ、どうということはない」と放置してたらみるみる大きくなって、そのうち人面が現れそうなほどに膨張してきたので、飲み友達のご紹介でご近所の整形外科の名医と名高いクリニックで診てもらいました。

 

医師「滑液包炎の疑いがあります」
じぇ「カツエキホーエン?」

 

聞けば、関節の衝撃を緩和する薄い膜のような液状の物体があり、長年の関節の酷使によって摩耗し、膜が破れて内容液が漏れ出したというのです。

 

医師「足首を酷使するお仕事ですか?」
じぇ「貧乏ゆすりくらいしかないです」
医師「もっと捻ったり動かしたりです」

 

足コキなんてビデオでしか見たことないですし、関節可動域的にセルフでは絶対に不可能ですし、誰かにやってあげるわけがないので、考え付くのはジムのルームランナーで週1で10キロ走ってたことぐらいです。間違いなくそれですね。

 

医師「MRI撮ってみましょう」

 

小さいこぶには注射器がぶっ刺されて薄黄色の内容液が吸い出されましたが、大きいこぶからは思うように吸い出せなかったらしく、腫瘍の疑いもあるので中身の確認のためにMRIを撮って来いというのです。診療報酬5,000円。

 

別の日。名医の紹介状を携えて放射線撮影専門の施設に行きました。10年前の暗黒時代にぶっ倒れたとき以来のMRI。あのときは緊急だったのでストレッチャーで運ばれながら着衣ひっぺがされましたが、今回は更衣室まで女性技師に案内してもらったあとは自分で着替えました。足撮るだけなのに病院服着せられるとは。

 

技師「着替えた後はドア開けてお待ちくださいねぇ」

 

言われた通りドア開けてぼんやり座ってたら、若い女性技師の皆様が私を一瞥、微笑して通り過ぎていきます。それにしてもなんでああいうところにお勤めの女性たちってみんな可愛いんでしょうね。ちょっとだけお医者さんが羨ましくなりました。僕ずっと呼ばれないんじゃないか。なにこれ新しいプレイか。

犬も食わない妄想に浸ってるうちに私の順番が来まして、可動式ベッドに乗せられて筒状の機械に通される前に、女性技師3人がかりで足を固定します。動きに弱い装置なのでかなり大掛かりです。

 

技師「はぁい、それじゃあ左足の自由を奪いますからねぇ」
技師「大きな音がしますから、これで耳をふさぎますねぇ」
技師「動いちゃだめですよぉ、動いたらやり直しですよぉ」

 

わたしの足……わたしの耳……わたしの……なんだろう。てめぇ、gentlyを詰める気だな!!優しいのに威圧感のある皆様の為すがままに任せるうちに機械に詰められました。約20分間、ヘッドホン越しに聞こえる断末魔的な異音とさっきの変な興奮に耐えているうちに無事撮影は完了したようで、CD-ROMをもらって帰りました。用事なくても来ていいかなここ。診療報酬7,000円。

 

そしてついこないだの火曜日。アイドルの水着グラビアではなく私の左足首の断面画像が多数収録されたCD-ROMを携えて再び同じ名医クリニックの別の医師にかかりました。

 

医師「完全に液体ですね、腫瘍じゃないですね」
じぇ「え、カツエキホーエンじゃないんですか?」
医師「腱鞘炎です」

 

足でピアノを弾いたことがないので、足首の腱鞘炎なんて聞いたことありません。医師曰く、歩き方や走り方の長年のクセによって足の外側への負担が増大し、最近の体重増加もあって一気に来たんじゃないかとのことでした。まぁ痩せろってことです。ていうかぼく、回されちゃった……?撮らなくてもいいのに、腫瘍かも知れないとか脅かされて、MRI、撮っちゃった?

 

医師「はい、じゃ抜きますね」

 

 

足にかかるお足を思いながら、ぷっくら膨らんだ足首に再び登場の吸引注射器が差し込まれ、薄黄色が山吹色にさえ見えてくるその液体を注視しながら、抜かれているのは私の体液なのか経済の血液なのか、12,000円プラス当日の診療報酬がかかったうえに名医がおっしゃるには

 

医師「ものすごい偏平足ですね、衝撃吸収しないからこうなったのかもしれませんね、せっかくですからソールも作りましょうか」

 

お足がBダッシュで駆けていく音がするよ。私偏平足なんですか。40数年の生涯で初めて言われました。

 

今月は何かと物入りで多忙でした。皆様も良い年末を。歌ネタはくせになりそうですね。次回はシリーズの続き書きます。