working-report 2回戦

ゲーム脳はゲーム脳のままで熱を失うだけ

初代プリキュア前半戦を終えて

皆様こんにちは。Go!プリンセスプリキュア50話、魔法つかいプリキュア50話を1か月で見終え、初代ふたりはプリキュアを半分過ぎの26話まで見ました。

自称プリキュアおじさんは、これまで初代をきちんと見たことがなかったのです。本来ならまほプリの感想を先に書くべきところですが、初代の圧が強すぎたので初代の話をさせてくださいお願いします。

じぇ「めっちゃおもろいやんけ!」
同期「おもろいから続くんやで!」

実のところ、始めるまでは不安だったんです。ゆうても20年前の作品やし。なんか古いなぁとか感じて飽きてしまうんちゃうやろか、ガッカリするんちゃうやろか。本当に、私の馬鹿野郎と言いたい。まったく古びない挑戦的な作品でした。

前半2クールを総括する26話は、出来る原画陣を総動員した少年漫画のような激しいバトルと役者陣の熱演が見られました。プリキュアが必死になると鬼の形相になるんですね。最近と比較してお話のテンポが速く、セリフの密度が濃いように感じます。当該話の脚本、成田良美さんは歴代プリキュアの爆笑エピソードを数多く手掛けていますが、やる時はやる人なんですよね。

 

私はゲラゲラ笑う方が好きなので、10話もおすすめです。ほのかちゃんの誕生日にプレゼントを買うお金がないからって、すでに半年分のお小遣いを前借りしている母に断られ(何に使ったんや)、弟にも無心して当然断られてデコに10円貼り付けたままコブラツイストとか、挙句の果てに路上の遺失物に頼ろうとするあたりまで、中学生女子の懐事情、切迫感がにじみ出たなぎさちゃんがキャラ崩壊寸前まで笑わせてくれました。宝石強盗集団を説き伏せるほのかちゃんも大概でした。光の使者、何してんねん。

当時はSNSプラットフォームが存在せず、手広く拡散することもなかったでしょうから、キャラクターの言動がとても自由です。弟に暴力まがいのプロレス技をかけたり、道で硬貨を拾ってネコババすることだってあるでしょう。なんでそれを今描いてはいけないんでしょうね。

 

飲友「8話が神回とよく聞きますね、見たことないですけど」

 

8話は典型的な仲違い話で、最近お見かけしない清水東さんの脚本、五十嵐卓也さんの演出、あるいはコンテのカット割り、原画、動画が秀逸でした。河川敷の鉄道橋の近くでほのかちゃんの手を振り払うなぎさちゃんの一連の動き、光と影の使い方、演技、音響、静寂、全てがぴたりと揃った瞬間を見ました。絶対そうはならないと分かってても、このまま喧嘩別れするんじゃないかとおじさんはハラハラしました。

 

C.C.と天狐様で定着していたゆかなさんのイメージであんな激しい演技と、スメラギ・李・ノリエガのイメージで定着していた本名陽子さんの「いかにも中学生!」な演技はここでしか見られません。

妖精が関智一さんと矢島晶子さんではもう誰にも勝ち目がありませんね。最近のように従順ではない、バカップルのような身勝手さが㌧でもない笑いを連れてきます。妖精も人間も、完全体なんていないんですよ、それでいいんですよ。

 

なによりも関西風味を感じるのは、敵組織の拠点がドツクゾーン。何者かに乗り移って暴れまくる敵キャラ・ザケンナーが浄化されると、ちっちゃいヒトデみたいになって「ゴメンナー、ゴメンナー」関西弁のイントネーションで言いながら散っていきます。さんざん暴れまくって、ちゃんと謝って帰る敵。この辺は朝日放送ならではなんでしょう。

 

そして五條真由美さんが歌うDANZEN!ふたりはプリキュア!のインパクトは言うまでもありませんが、特に後ろの「♪プリキュア プリキュア」歌ってるところ、ブラックが歯を食いしばって立ち上がり、ホワイトの手を引いて立たせようとしている、人間の重みを感じる動きがとても力強い。デザイナー・稲上晃さんの絵がそのまま動いてます。公式動画公開のご検討をお願いいたします。

やっぱりブラック好きやなぁ。おしとやか系のほのかちゃんにさせられない顔芸が特に際立ってるし。そのぶん窓越しに夕陽を見ているなぎさちゃんは美少女の顔をしています。ギャップのある女子ってモテるんですよきっと。

エンディングのゲッチュウ!らぶらぶぅ?!は歌詞が可愛いです。ストレスよりロマンスがいいって言ってるのに、今日もチョコ食べまくるんですよ中学生女子は。毎日がストレスとの戦いなのでしょう。スタッフクレジットのそっけない斜体ゴシックが一周しておしゃれに見えます。2人のチアリーディングに続いて登場キャラが行進するあの構図は今見ても新鮮です。

……機会があるごとに書いてますけど、OPとEDはアニメーターが力を入れて、毎回見ても飽きないように作ってるんですよ。歌飛ばしはアマプラの余計な機能ワーストです。5秒以内に数回律儀にキャンセルし続けると機能表示されなくなります。ちゃんと学習するんだな。前後90秒くらいはタイパを忘れて余韻に浸りたいものです。

 

最後は変身シーンです。冒頭に公式の動画を埋め込みましたのでぜひ見ていただきたい。いちいち戻るの面倒だという人のために同じ動画をもう1回貼っておきましょう。東映アニメーションミュージアムチャンネル様様です。再生数アップに貢献させてください。

CGが今ほど発達していない時代、カラフルな傘みたいなのがくるくる回りながらやってくるところは古き良き昭和のテイストを意図的に入れたんでしょう。色遣いに優しさを感じます。

2人ともメタリックながら、ボディラインがくっきり出ています。回によっては光のトンネルを手をつないでくぐっていくシーンもあります。ほぼネイキッドじゃね?って思うくらい。

日曜朝の女児向けアニメ番組でこれをやるのは相当な勇気が必要だったろうと推測します。画像貼り込みはご法度なのでしませんが、女子中学生のスカート丈にしてはえらく短いのにローアングルから膝裏と太ももを描いているシーンもありました。大きなお友達の存在を意識したのでしょうか……私はそんなので喜んだりしませんよ?

キュアブラックの活発さがよく出たセパレート(おへそ!)のバトルコスチュームに、ふわふわフリルつきのキュアホワイト、そして何よりセンスが光っているのは変身後の着地ポーズです。うつむき加減で膝を曲げて衝撃を吸収、力感のあるキュアブラック、着地というより飛び立とうとしているかのような、白鳥のような浮遊感のあるキュアホワイト、それぞれのキャラクター性をこれでもかと見せてくれます。

「Dual Aurora Wave!」も、「Black Thunder!」「White Thunder!」「プリキュアの美しき魂が!」「邪悪な心を打ち砕く!」に続く浄化技・マーブルスクリュー(これの公式動画がない)も、両者の絶叫に震えるくらい感動します。お話によっては1回目に失敗することもあり、2回目で「次は決めるぞ!」の気合の入り方、演技の変化のつけ方は見事です。

 

……とりとめなく、熱気に煽られるように前半の感想を述べました。東映アニメチャンネルはアマプラに月額350円を上乗せするだけで、同社作品が見放題になります。宣伝しといたら東映さんの目にも止まるやろ。なんかそういうお仕事おりてこないかな!お金いただけたらもっと整理してちゃんと書きたいな!

きゃわわ

こうしてプリキュアちゅきちゅき〜言い続けてたら、会社を辞めてった優秀なSEさんが見かねてお人形くれました。これでお酒を運んでる袋には見えんだろう。