working-report 2回戦

ゲーム脳はゲーム脳のままで熱を失うだけ

心を込めてGoプリの感想を書く

皆様こんにちは。きのうが最終出勤日でした。昨夜からしばらくの間、酒池肉林の素行不良の安楽智大の暴飲暴食三昧です。

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Go!プリンセスプリキュア(以下、Goプリ)全50話を2週間余りで見終えました。彼女たちの強さ、優しさ、美しさに感化されて3話に1回の割合で泣いてました。

特に終盤、47話のはるかちゃんが夢の世界に幽閉されてからのセリフの端々に、嶋村侑さんの信念が迸っててボロ泣きしました(詳しくは後述します)。続く48話、学園のみんなが見ている前で、しばし瞑目したのち変身を決意したシーンは全身鳥肌が立ちました。

最終話のキュアフローラVSクローズの激しい戦闘シーンにはただただ見惚れました。圧倒的枚数を費やした縦横無尽の動き、初回から数話と最終盤の数話でいかんなく発揮される東映アニメーション精鋭チームによる奇跡的、あるいはキセル的モーションは見事以外の表現が見つかりません。

カナタ王子もミス・シャムールも、あんな小さい体のアロマもパフも勇敢に戦いました。アロマとパフはたんこぶ出来てたけど。シャットの寝返りは「シャットぉぉぉぉ!!」近所迷惑も顧みず声が出てしまいました。プリキュアにならない敵キャラクターがボスに反旗を翻す瞬間って最高。

敵キャラといえば、毎回誰かの夢に寄生して登場するゼツボーグの声を担当した中務貴幸さんが、その夢の形にフィットした演技で笑わせてくれました。敵なのにな。ステージモデルの時はちょっとオネエっぽく、厳しそうな先生の時はスパルタっぽく、セミの時は鳴き声っぽく、セリフがほぼ「ゼツ!」しかないのに、表現力の豊かさはこういうふうにも出てくるんだなぁと思いました。

 

Goプリのプリはプリンセスなので、お姫様がモチーフになっています。変身バンクは回によって短かったり長かったりしましたが、それぞれのシンボル、花、海、星、炎にちなんだVFXつきのカーテシー(〔英〕curtsy,ドレスの端をちょっとつまんでお辞儀するポーズ)には毎回魅了されました。あんなに美しく決まると敵も返礼してしまうに違いありません。

中でも圧倒的迫力と気品が同居したキュアスカーレットによる、炎のリングを纏いながらのカーテシーは息を吞む美しさです。でもね、東映アニメーションおよび朝日放送のサイト表面上はいなかったことになってますけど、私は彼女がプリキュアに覚醒する以前のトワイライト様にゾクゾクするほど惹かれてました。

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彼女の初回登場時、バイオリンを奏でるシーンは国宝級の美しさです。はるかちゃんですらフラフラ~と吸い寄せられるくらいなので、私みたいなおっさんがあんなのリアルで遭遇したらイチコロでしょう。

ええ、何回だって言いましょう。悪い女はいい女です。沢城みゆきさんを初めて見た紅真九郎と同じとは到底信じられん美少女ボイスでした。浄化によって仮面が外れた直後の頼りない演技も好きすぎて卒倒しそうです。雪が降った日のトワ様はめちゃくちゃ可愛かったな。

 

そしてGoプリで初めて実装された、プリキュアごとに歌詞が変わる北川理恵さんのエンディングソングです。スカーレットの歌詞は何回聞いても泣きます。

どの過去も生きるチカラに 私の炎誰も消せない
つないだ手 永遠(トワ)に信じて

おおおおいたわしやトワ様……ご心痛いかばかりか。伸びのある北川さんの声が響くとよけいに堪えます。全プリキュアLIVE行きたかったなぁ。

 

彼女たちは真のプリンセスである「グランプリンセス」を目指すと同時に、みんなの、自分の夢を守るために戦うプリキュアでもありました。その過程でこれまでのプリキュアシリーズでは存在しなかった、プリキュアと行動を共にする七瀬ゆいちゃんの存在を語らないわけにはまいりません。

彼女は絵本作家になる夢を持ってノーブル学園に通う、普通の中学1年生です。ある事件をきっかけに、プリキュアの正体が寮のルームメートであるはるかちゃんであることに気づきますが、プリキュアにはなりません。特殊な能力を持っているわけでもありません。

第1話早々、敵集団ディスダークの最初のターゲットにされ、檻に閉じ込められますが、プリキュアによって助け出された=夢を守ってくれたことを知り、プリキュアたちを応援したい一心でサポートメンバーとして加わります。

この設定は、クラスメイトの仲良し、あるいは憧れ的な存在が、もしかしたらプリキュアかもしれない、「君のクラスの一番後ろの席の男の子はパーマンかもしれない」に似た、テレビの向こうの幼児たちのささやかな夢を可能性として提示しています。もちろんそれは私の夢でもあるわけだがな。

しかし、この物語の一番重要なポイントはそこではありません。

彼女の存在はプリキュアを応援する女児たちの代表であり、ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル研究会における高咲侑ちゃんのような、あなたもこの物語に参加しているのですよ?という一体感を醸成すると同時に、絵本作家になる夢は自分で掴み取るもの、叶えるものという、この物語が伝えたいメッセージの根幹に収斂します。

何度もディスダークに幽閉される彼女は4回目、ついに自力で檻を破り脱出します。ええ、いうまでもなくこの時の私はガン泣きしています。自分の夢は自分で叶えるのだと強い意志を持って行動を起こします。

 

プリキュアは夢を守る存在ではあっても、与えたり、叶えたりする存在ではないのです。本文冒頭で述べた、はるかちゃん=キュアフローラが偽物の夢に幽閉された時と同じく、Goプリは夢を叶えるのは自分自身の頑張り次第なのだ、という強いメッセージを発信し続けました。私はここに、演じた役者の皆様と、東映アニメーション作家陣の矜持を見るのです。

クリエイターになりたい人の中には、志望動機として「子どもたちに夢を与えたい」と口にする方がいらっしゃるそうですが、この態度を大塚明夫さんは「驕り」であると著書の中で断じています。役者になりたい自分の夢すら叶えていない人間が、どうやって子どもたちに夢なんか与えられるんだ、お前は何様のつもりだ?と突っぱねます。恐るべき正論です。

嶋村さんの演技には一切の驕りがなく、あなたの夢を応援したいという気持ちが本当に強く表れていました。私は魂を揺さぶられました。きっと幼児たちにも伝わったに違いありません。

 

通常放送では1年間の、私にとっては2週間少々の様々な記憶が思い起こされて、最終回にはお別れが寂しすぎて、それでも涙を拭って走り始めるはるかちゃん、そしてどうやら夢を叶えたらしいゆいちゃんの絵本を持った女の子と、成長して素敵な女性になったのだろうはるかちゃんの表情が映らない姿を見て、歓喜のあまり号泣の果てに到達しました。素晴らしい作品でした。

眺めてるだけで幸せになる本

やっぱりプリキュアシリーズは最高だなぁ。次はHDDの事情で途中断念してしまった魔法つかいプリキュア!を1話から見ます。最高の年末年始になりそうだぜ。東映アニメチャンネル加入してよかった。