working-report 2回戦

ゲーム脳はゲーム脳のままで熱を失うだけ

大人がプリキュアを見る理由

皆様こんにちは。前置きが長いらしいので、今回はすぐ話題に入ります。前回の続きみたいな話なんですけどね。

 

プリキュアを見たことのない、あるいは見る習慣のない人からよく言われることは、決まってこの2つです。

 

①幼児向けアニメを見て夢中になる大人は恥ずかしくないの?
②毎回プリキュアが悪に打ち勝つだけのマンネリじゃないの?

 

まず①。はい、いまだに恥ずかしくて誰彼構わず話題にすることではないと自覚しています。先日来、プリキュアユニマイズでTシャツ数枚買ってますけど、堂々とお外に着ていく勇気がなくて、いつも上になんか羽織ってます。

working-report2.hatenablog.com

しかしながら、ことアニメに関しては、ターゲットの対象年齢によって間口を狭めて選別する必要はないと思ってます。

 

私がプリキュアを見始めたのは2007年にスタートしたYes!プリキュア5でした。入社以降の5年間、法務、財務と管理部門の一番エグいところでボロ雑巾のようにこき使われ続け、心身の疲労が極限に達していました。だからめっちゃ痩せてました。

期待されている能力と、実際に発揮できている能力との膨大なギャップに苦しみ続けていました。応えようと努力すれば体力を損なう。体力を損なえばパフォーマンスも下がる。パフォーマンスが下がれば応えようとする気力も下がる。完全な悪循環にハマってました。

明日が来るのがあんなに恐ろしい日々はなかったです。

 

ある日曜日の朝。前日に心療内科を受診する程度にメンタリティが破壊され、うまく寝付けなくなっていた私は、初めてプリキュアを視聴して、懐かしさ、安心感と同時に,、不眠の原因だった不安を取り除いてもらえたような、ちょっと救われたような気持ちになりました。

プリキュアシリーズの主要ターゲットは確かに幼児、特に女児を意識して作られていますが、幼児が一人で見るだけではなく、親御さんと一緒に見てもらえる、つまり大人も楽しめるように作られています。

www.toei-anim.co.jp

現在放送中のわんだふるぷりきゅあ!では、「相手を思いやることの大切さ」を伝えたい、とあります。大人が一人で見ても、みんなで見ても耐えうるクオリティを目指して、かくも崇高な理念に基づいて作られているのです。

私には嫁も子供もおりませんが、プリキュアで描かれる世界は実現不可能かもしれないけれど、少しでも近づけるように、ちょっと頑張ってみようかなと思える、そういう作品なのです。だから私は恥ずかしくありません。いや、恥ずかしいのか?

その後、心身の回復と、2007年7月の異動によって水を得た魚のように仕事が出来る環境に配属されたおかげで病は完治し、フレッシュプリキュア!からしばらくの間、プリキュアを見ない時期に入ったのはまた後日お話しします。

 

②に対してはこう答えます。プリキュアが数多く勝利しているのは事実でも、過去のシリーズにはプリキュアが敗北する、あるいは決着がつかないケースもたくさんあります。一度倒れて立ち上がり、最終的に悪を懲らしめるパターンは不変ながら、そこには様々の紆余曲折があります。

また、不安定な世界の平和を取り戻す、という物語の根幹に限らず、日常生活から派生するとんでもない事件はギャグ性に富んでおり、大人でも爆笑する高いレベルで攻めてきます。可愛らしさと馬鹿馬鹿しさが絶妙にブレンドされた、優しい笑いです。

プリキュアの世界は決してやさしいことばかりではありません。年頃の中学生が日々ぶつかる諸問題、テスト、部活、ケンカ、コイバナ、家庭事情、様々なシチュエーションで、世界征服をたくらむ勢力とは無縁の日常的な問題が起こります。

 

それらを前にして彼女たちは悩み、考えます。考えるのは大事なことです。頭を使うのが苦手な子でも一生懸命考えるのです。

やがて周囲の誰かが手を差し伸べ、問題解決に向けて物語が進もうとする途中で邪魔しに来る敵組織の誰かをぶちのめして前進する様子を見て、自分もこのように順序立てて悩み、考えを整理することができれば少しはましになるのだろうか、そのためには誰かのサポートが必要なんだろうな、と納得するのです。

いったい私の現実はどこまで追い付いていないのだろうか?みたいな絶望感もないことはない。あのときはお医者さん以外、誰も心のサポートまでしてくれなかったので。

 

よく「子供だまし」という言葉を耳にしますが、その解決のプロセスは決して安易でも横着でもありません。時には「う~んそれでいいのか?本当に大丈夫?」と思うこともありますが、大多数は大人の感覚で及第点の、ごくまれに「それはおかしいやろwww」と全力でツッコみたくなる解決方法を採用し、その日のお話は終わります。安心感ある着地はマンネリであっても全然かまわないと思います。

 

……まぁそういうわけですので、幼児向け、女児向けとバカにせず、腰を据えてプリキュアシリーズを見てみることをお勧めします。ほんの少しくらいなら、ストレスが解消されるかもしれません。

最後に、プリキュアシリーズで原画を描いておられる板岡錦さんのこの一枚。

ソラちゃん、女優さんみたいじゃね?