working-report 2回戦

ゲーム脳はゲーム脳のままで熱を失うだけ

記憶のフタが少し開く話

私の毛髪をvividに変貌させる鋏使いの魔術師さんから、ミニスーファミをご寄贈いただきました。

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PS4コントローラより小さいだと

これは、いいものだ。大きいスーパーファミコンを買ってもらったのはちょうど30年前です。この世で最も不毛なのにあそこの毛はチリチリ生えてきた男子中学生の私がおこづかいで買った攻略本は

 

スーパーマリオワールド(単巻)
ゼルダの伝説 神々のトライフォース(2分冊)
信長の野望 武将風雲録(2分冊)

 

です。惜しむらくはその後、親父の会社の従業員に無償譲渡するとき、これらも同時に手放したことです。

 

サウナに入りながら、疲れ切った表情の大きいマリオがクッパ討伐までの道中を語り、「ほかのマリオの皆さんは普段どこにいるんですか?」の質問に「俺達は常に画面の左側からついて行ってるんだよ」と答えたこと、強制スクロールで島が浮き沈みするステージには志半ばで散っていったマリオ達の奈落に沈む断末魔が峡谷の風の音と重なって反響し、島の側面にはおびただしい爪痕が残っている話と、ゲームの仕組みが分かっていないかもしれない吉田戦車さんの4コマ漫画でルイージの「……コインが1枚足りないよ?」というセリフを鮮明に覚えています。あと、公式が書いていいのかどうか、森のステージでマントマリオが画面両端でリポップを繰り返すハナチャン(横型の芋虫ね)を踏み続けるとスコアが狂ったように回転してマリオの残数がバグるのもいい思い出です。

 

ゼルダの伝説にはクリエイターのコラムが載ってましたね。左利きのリンクの攻撃有効範囲を単純に正面に設定するのではなく、敵が左側に寄った時の当たり判定とバック動作に変化をつけて右前方の接敵を弱くした話、ハイラル城のBGMは一番最後に出来た話などは興味深かったです。内容も装丁もスタイリッシュで、メタ視点の解説が多かった気がします。特定のポイント(水のなかだったような)でマジカルミラーを使うと入れないはずの先に進むバグもありました。

 

信長の野望は個々の戦略を武将の対談形式で解説してました。読み込みまくって武将の名前と能力値に3か所ほど誤植を見つけた覚えがありましてね……書かれていた内容はほとんど覚えてませんが「屍山血河」という言葉を知ったのはこの本でした。滝川一益関東管領よりも茶道具を欲しがった話はこれで読んだのだったかどうだったか。

 

当時の公式攻略本は読み物の要素が強くて、ゲームを持っていなくても楽しめる内容だったと思います。小学生の頃はなぜかスーパーマリオブラザーズ2の攻略本を持ってました。ファミコン持ってないのに。代わりにマリオ3のボードゲーム持ってたな。だからなぜボードゲーム。1作目と比較して地面のモザイクパターンが違うだけでも不思議な高揚感がありました。地面に萌えるとか特殊性癖過ぎますな。

 

ちなみにファミコン買ってもらえなくて頭がおかしくなる田舎の子供の話は以下からご覧いただけます。長いですが。

working-report2.hatenablog.com

 

最近のゲーム攻略本ってどうなんでしょう。ファンブック、イラストブック的なものはアニメイトでもよく見かけますが、味気ない攻略サイトに侵食されて存在自体なくなってたりして。

 

さて、四半世紀以上の時を経て再び遊んでみて、わかったことが2つあります。

 

・ノスタルジーと言われても面白い
・13歳の私と41歳の私はたぶん別人

 

CMで広川太一郎さんが「おしりに火がつく面白さ」と言っていたのは本当でした。当時、スーパーマリオワールドは同級生の間で「フォー」と呼ばれ、シリーズ4作の中で最も難しいと言われた3と異なり、ゼルダの伝説のように謎解き要素を含んだ構成になっています。その要素が特に濃いオバケやしきステージは制限時間付きパズルのような構成で、全ルートを開通させた30年前にどうやったのかが思い出せずに考え込んでます。スターロードステージはどれも面白くて頭使い過ぎておもらししそうです。ポーズかけりゃいいのに、トイレに行く間をうまく作れません。ボトラー目前。東京にいたころやろうとして盛大に失敗して1Kの部屋中びちょびちょになった。あのころ、途中で握って止めようとすると尿管が異常に痛くなって困ったものだ。だいたいボトルの口が小さすぎる。あんなんに先っぽ入るはずないやろ。こんなとき、カテーテルがあればなぁ。

 

ただ。攻略の記憶回復が見込めないことと合わせて手指運動の記憶も失われており、ノコノコやらパタパタやらメットやら亀甲系モンスターを踏んだあと蹴飛ばした甲羅にブーメラン衝突する死亡例が多発しているほか、ダメージ後にストックから自動的に落下してくるアイテムを取りに行って谷底真っ逆さまとか、Yダッシュでファーストコンタクトの敵に冒進アタック返り討ちとか日常茶飯事です。まぁ、うまく行くだけがゲームではなくて、ひげの配管工のジェノサイドに始まり冒険の途中で倒れたりCOMに攻め込まれて滅亡したり、そういう失敗も含めて楽しいのが本物のゲームである。とか言ってみたりして。

 

……大変今更ながら、ミニスーファミ信長の野望シリーズは収録されておりません。アクトレイザーガデュリン入ってたら体の穴という穴から汁出して喜んだことでしょう。

 

ガデュリンはSETA(SEGAではない)が頑張って作ったスーファミ最初のRPGで、全編シンセサイザーで演奏されるBGMが印象的でした。オープニングが重厚で、読めない文字やら記号やらが出てきてめっちゃカッコよかったんですよ。ただ、ゲームシステムが破綻してて、ダガーだったかナイフだったか、2本入れ替える操作を繰り返すと攻撃力が極大まで上昇するというとんでもないバグがありました。最後のボスはアホみたいに強くて3段階変身するんですけど、このチートバグで3発当てたら死にました。当時はドラマCDという名前自体が存在せず、サントラに草尾毅さんがどんな風に参加してたのかは不明。歌ってたのかな。全曲集のCD持ってたなぁ。なぜか最後の20曲目が目詰まりして再生できなくなりましたが。ヒロインのファナが好きすぎて何度もイラストに挑戦したけど、精神を病んだ顔しか描けなかった。目にハイライト入れると鏑木肆星かボンドルドみたいになる。絵心がないんだなと早々に気づけて良かった。

 

やっぱりすごいですよね任天堂。この面白さはビジュアルが飛躍的に美麗になるとか操作性が向上するとかそういうレベルの話ではなく、ゲームとして企画がしっかり練られていることの証なのでしょう。それを言い出すと最近のゲームの方がもっとしっかり練られてるはずなのに、どうしてこんなにすぐ飽きてしまうのでしょうね。「目に頼り過ぎなんだよ」て言われちゃうのかな。

 

というわけでありがとうございます魔術師さん。大変楽しんでおります。楽しすぎて夜中に目が覚めるくらい。