working-report 2回戦

ゲーム脳はゲーム脳のままで熱を失うだけ

年頭所感2021

新年早々の話題に相応しいかどうかは別として、昨年に引き続き新型コロナウイルスが猛威を振るうであろうことが予想される2021年の年頭に当たり、日本の感染者数の現状を数字で見ておきましょう。Yahoo!ニュースで喚き散らしてるアホコメ民の御高説よりは有益でしょう。

 

NHK特設サイトの情報によると、12日までの日本国内の累計感染者数は298,172人、累計死亡者数は4,179人です。

www3.nhk.or.jp

 

日本の人口は2020年12月時点で1億2,571万人(出典:総務省統計局)なので、感染者ベースで0.23%、死亡者ベースで0.003%です。500人中1人が感染し、3万数千人中1人が死んでいる計算です。

www.stat.go.jp

 

当初パンデミック発生と報じられたイタリアは、13日付日本経済新聞朝刊(出典:ジョンズ・ホプキンス大学)によると累計感染者数2,289,021人、累計死亡者数79,203人で、人口は6,046万2千人(2020年発表の国連推計値、出典:外務省)。感染者ベースで3.78%、死亡者ベースで0.13%。100人中3~4人が感染し、1,000人に1人以上が死んでいます。

www.mofa.go.jp

 

同じく13日付日本経済新聞朝刊によると、世界の累計感染者数は90,894,797人、死亡者数は1,944,754人で、世界人口が77億1,500万人(出典:UNFPA state of world population 2019、キッズ外務省からの孫引き)として、感染者ベースで1.17%、死亡者ベースでは0.02%です。100人中1人以上が感染し、5,000人に1人が死ぬ計算です。イタリアの凄まじさが分かります。

www.mofa.go.jp

 

諸外国の感染予防対策がどの程度のものか詳しい情報を持たないのですが、単純にこれらの数字を比較すると、感染の封じ込めに成功しているわずかな国家群を除いて悉く失敗している中でも、日本はだいぶマシと言えるのではないでしょうか。医療従事者の皆様のおかげであることは言を俟たず、日本は手厚い医療が受けられる半面、コロナウイルス以前から高齢者が病院の待合室にたむろする光景が常態化していたことを思い返すまでもなく、医療におんぶにだっこという意識が国民に根付いています。医療体制の充実がもたらした徒花です。

 

「お医者さんに行けば何とかなる」という意識、下手をすると医療にかからなくてもなんとかなるという温順平和かつ無根拠な自認がコロナの跋扈を許したと言えるのでしょうけれど、先の大雑把な比較を見てもわかる通り、日本は世界の水準と比較して低位置にあります。その一方で国内では医療体制の逼迫について報道が取り上げない日はありません。これは何を意味するのでしょうか。以下は私見です。

 

日本は「救い過ぎ」なのです。今は世界のどこであろうと、どんなに気をつけたところでコロナウイルスに感染するリスクがあります。感染者が一概に悪いわけではありません。感染者に対する差別や偏見がまかり通るのもやむを得ないかもしれません。ただ、それらの根底にあるものは、再三の行政の呼びかけやお願いにもかかわらず「新しい生活様式」を受け入れず、無邪気にお出かけしたり外食したりマスクなしで会話する一部の人々です。

 

しかし、医療の理念は崇高です。どんな理由があろうと、どんな病だろうと、救うべき命を区別しません。期せずして感染してしまった人も、無自覚に遊びまくっていた人も平等に助けます。この崇高な理念を捨てざるを得ない状況、助かる命を助けられない、命の選別を行わねばならない状況を「医療崩壊」と呼んでいるのです。

 

だったら一度、不心得者も不幸にして感染した者も一切救わない「医療崩壊」を意図的に起こしてしまえばいいのです。その人の行状によって救う/救わないの判断をしない(というよりする余裕がない)、冷酷無比の平等性が維持された「医療崩壊」です。

 

あるブログで「人類共通の脅威に対して人類が一致団結して打ち勝つというストーリーは、完全にハリウッドファンタジーの産物でしかないことが世界的に証明されてしまった」と書かれていましたが、コロナの猛威によって世界中で3人に1人が死ぬサバイバルな状況になれば、その可能性はまだあると思っています。世界人類一致団結パワーを生み出すには贄が全然足りないのです。

 

日本に限って見れば、国民的コメディアンが亡くなったところでそれはどうしようもない他人事でしかなく、国民の誰もが等しく、大切な家族や友人が犠牲になることで初めてそのような機運が生まれ、日々の生活にこれ以上ない緊張感が芽生え、感染対策に本気で取り組むようになるのではないでしょうか。

 

そうならないために獅子奮迅のお働きで鉄火場に身を置いておられる医療従事者の皆様には感謝と崇敬の念以外ありませんが、具体的に負担をかけていない者からお礼を言われても全然ピンと来ない、そんな心のこもらない、「医療従事者」というどこの誰を指しているのかも分からないお礼で本当に医療従事者が勇気づけられるとでも思っているのか、日本人はどこまで平和ボケすれば気が済むのかとお感じになっていらっしゃると思います。ただ日本は、政治的安定性と医療体制の充実により、国民が過分に甘やかされてしまったために、他にどんな形で支援できるのかが分からなくなっているのです。

 

これからも日々の感染対策(マスク、手洗い、消毒、換気)と3密の回避を継続するしかないのでしょう。緊急事態宣言が本日再発令される大阪はどうなってしまうのでしょうね。とても嫌な予感がします。