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ゲーム脳はゲーム脳のままで熱を失うだけ

びわ湖大花火大会について

皆様こんにちは。明日、4年ぶりにびわ湖大花火大会が開催されます。

www.biwako-visitors.jp

はなびって、たのしいね!(イメージ)

私は以前のお仕事でスタッフとして参加し、スポンサーへの出資お願い回り、有料観覧席の販売、大津市との道路占用協議、漁協との折衝、警察との交通規制協議、当日の設営、案内、モギリまでひと通りのことを担当しました。その経験から言えることは、花火とは人間の本性を暴くクラスター爆弾である。これに尽きます。

www.asahi.com

中央学区の自治連合会が、住民の賛成多数で反対決議を採択したそうです。ご尤もなお怒りです。

毎年のようにゴミ、騒音、混雑の問題に悩まされているのに効果的な解決策がないまま、有料観覧席と道路との間に高い目隠しフェンスを設置し、しかも今回は無料観覧エリアを縮小するというのですから、いくら一定数の住民を琵琶湖汽船本社の屋上にご招待してるからって、地元住民にとってはただの迷惑イベントであると言われてしまえばまったくもってその通りです。

 

みんな内心では花火が見たいんです。出来ればタダで。単に平日開催で通勤の邪魔になるからイヤだという人も一定数おられるでしょう。でもよく言うじゃないですか、タダより高いものはないって。

 

私がスタッフ勤務していたころの無料観覧エリアはある程度広大でした。有料観覧席と比べると打ち上げポイントから多少離れているのですが、ここは毎年無法地帯化していました。とにかくえぐいほどマナーが悪い。

開催の前日、前々日からブルーシートを敷いてペグ打ちしてる奴、湖岸から消波ブロックをパクってきて重しにしてる奴なんかがいましてね。こんなん、躓いてこけたら大けがしますよ。スタッフは開催2日前くらいから当日の午前中まで、なぎさ公園周辺の樹木に「禁煙」のラミネート看板を括りつけながらパトロールして、引っこ抜いたり撤去したり、無料観覧エリアの問い合わせに忙殺されたり、とにかく大変でした。

無料「何時から場所取りオッケーなんですか?」
じぇ「場所取りは禁止ですのでご理解ください」
無料「でも場所取りせんと見られへんやないか」
じぇ「有料観覧席なら安全にご覧いただけます」
無料「何時になったら無料エリアに入れるねん」
じぇ「チラシ等に書いてある通り16時からです」
無料「16時に行ったら一杯やないかアホかお前」

アホはお前じゃ、お前みたいのがわんさか来るから無料観覧エリアやめたいんじゃこのボケがと言い返したいのをぐっとこらえて「ご理解ください」の一点張りです。これが1日数件程度なら分かるんです。1週間前ぐらいから同じような問い合わせが何十件も来るんです。金払わんくせに。

当日の無料観覧エリアはひどい有様です。なんやかんやで無理矢理場所取りしてる連中が炎天下で酒盛りして大暴れですわ。とても子供を連れてちょっと見に行こうかなんて空気じゃございません。あの一角は世紀末世界終末的様相を呈してます。

無料観覧エリアが縮小したこと、その裏返しとして有料観覧席を増設したこと、あるいは有料観覧席と道路の間に目隠しフェンスを設置することを悪く言うメディアが多数いますが、すべては安全に花火大会を運営するための措置です。

既述のとおり、無料観覧エリアは無法地帯ですので地元住民も近寄りませんし、お金はかかるものの安全に花火を楽しめることを優先して増席に踏み切ったのであり、目隠しフェンスも地元住民の排除が目的ではなく、道路に人が滞留することで雑踏事故が起きないようにするためのものです。

これをセンセーショナルに報じることで、SNS等を通じて群集心理を煽り、主催者を吊るし上げようとするマスコミは終わってます。私的な見解ですが、このような事態に直面したときのマスコミの役割は、いったい花火大会は誰の為に開催されるのかを世に問うことです。

 

現状、びわ湖大花火大会に限らず、どこの花火大会についても言えることですが、ノスタルジーの入り込む余地など一切ない、厳然たるビジネスです。花火大会は観光振興であり、お金が循環し、経済的な意味で地域を活性化するためのイベントです。

主催者に名を連ねているびわこビジターズビューローは滋賀県の外郭団体で、以前まで観光振興局の分室的役割も果たしていました。職員構成は県職の専務理事、常務理事以下、旅行代理店の支店長クラスの出向、県内市町職員の出向、民間企業の出向、プロパー職員で構成されています。歴代会長職には地元財界の名士が就任し、県を挙げて観光振興に寄与するための組織です。

 

県の観光振興と旅行ビジネスは切っても切り離せない関係にあります。大手旅行代理店、民間企業からの出向職員は、花火大会をベースに地元のホテル、旅館と共同で商品パッケージを造成、販売し、自社に利益をもたらすことがミッションです。有料観覧席が増えればその分各社の商品造成余地も拡大します。

そこには地元住民への還元の視点など介在する余地もありません。そして、このあり方が否定されるのならば、金輪際花火大会など開催されなくなります。主催者と関連事業者にお金が入ってこないのに、わざわざスポンサー料やら多少の税金やら費用を投じて花火大会など運営できるわけがありません。マスコミが問うべきはここでしょう。

 

先の反対決議の記事中、自治会長が「夏の風物詩として、誰もが楽しめる花火大会にしてほしい」とコメントしています。私はこのご発言に賛否を表明しうる立場にありませんが、それならば現状の開催形態を全部白紙に戻して考え直す必要があります。必然的に規模の面でも、費用の面でも、縮小せざるを得ない話になるでしょう。純然たるビジネスとして展開している主催者が、果たしてそれを容認するでしょうか。

 

このような次第で、私は花火大会が大嫌いですし、スタッフの立場を離れた現在も忌み嫌ってます。観覧者も、主催者も、部外者も、多くの人間が、巨大な炸薬の破裂とともに大輪の欲望の花を咲かせる様を眺めている気分です。

ただ、私情とは別に、久々の大規模イベントで事故など起きないように祈っております。最近駅のサイネージ広告枠で「有料観覧席券をお持ちでない方は来場をお控えください」と訴えているようですが、有料観覧席、周辺施設の宿泊プランなどのパッケージも合わせてせいぜい6万人くらいですか?で、例年の公式発表の来場者数が35万人でしょう?じゃ、あとの30万人くらいは来るなってことですか?と思ったり、思わなかったり。

要するに、花火大会を不幸なものにしているのは主催者でも、お金を払える有料観覧客でもなく、その他大勢の花火観覧に金を払わない約30万人ってことです。

この、日本語が通じない、服を着る、飯を食う、子を作る程度の知能がある人の姿をした皆様をどうにか強制排除コントロール出来れば、既存規模で開催できるでしょう。そんなこと出来っこないわけですけれども。

www3.nhk.or.jp

こんなネガティブな告知が頭に入ってくる人は初めから来ないんですわ、はぁ。ネットミーム化している「民度」という言葉の重みを改めて認識せざるを得ない、花火大会とはそういうイベントなの、だから嫌いなのという話でした。最後までお読みいただきありがとうございました。