working-report 2回戦

ゲーム脳はゲーム脳のままで熱を失うだけ

清美ちゃんの思い出

おとといの衆院選で清美ちゃんが落選したので、思い出話をさせてください。

 

2004年の参院選、大阪選挙区から清美ちゃんが立候補したとき、労働組合の指示で電話作戦要員として組事務所選挙事務所へ派遣されました。

電話作戦(電作)でやることは単純です。大阪府内の有権者に個別に電話をかけて、ひたすらお叱りを頂戴する。これだけです。選挙運動としての効果もへったくれもあったもんじゃありません。時間と電話代の無駄です。休日の午前から昼下がりにかけて、清美ちゃん本人ならいざ知らず、見ず知らずの兄ちゃん(当時の私)から「辻元清美候補にどうかご支援をよろしくお願いします」などと電話越しに言われたら、私なら発信元を突き止めて火炎瓶と放置数か月の生ごみを投げつけます。物の例えです。それくらい腹が立つという意味です。

 

でも、皆様意外と優しかったです。優しいというか、冷淡というか、無関心というか。

 

じぇ「辻元清美候補をよろ
有権「あーはいはいわかってます」ガチャン

 

相手したくないでしょうね、普通は。もっと叱られると思ってたのに9割がたこんな感じです。楽勝やん。問題は残りの1割、10本に1本大当たりを引くのです。アイスキャンディ並みの高確率。

 

じぇ「辻元き
有権「お前名乗れ」
じぇ「選挙事務所の
有権「名を名乗れ」
じぇ「ですから辻元
有権「お前の名前を名乗れ、警察に通報したる」

 

電話しただけで逮捕されることがあるのかどうか。清美ちゃん地元やのに嫌われてるなぁ。嫌われたのはわしか。こんなんもあります。

 

じぇ「辻元清美選挙事務所の者です、このたびは(以下略)」
有権「……」
じぇ「なにとぞよろしくお願いいたします」
有権「……話終わりか?」
じぇ「はい、なにとぞ
有権「お前正気か?」
じぇ「え?」
有権「辻元応援して正気かて聞いとんねん」
じぇ「あくまでお願いでございますので、どうか」
有権「かけてくんなアホ!ボケ!」ガチャン!

 

んなもんこっちかてやれ言われてやっとるだけじゃボケアホンダラァ!などと言い返すとえらいことになりますので、気持ちを次の電話に切り替えます。きついこと言われてるけど、電話の向こうにいるのは本当は恥ずかしがり屋のツンデレ超絶美少女で、この世をしのぶ仮の姿としておっさんに憑依もしくは転生しているんだとでも思わないとやってられません。ややこしいのはこんなパターンです。

 

じぇ「辻元(以下略)」
有権「ほな辻元がわいに何してくれるんか説明せえや」
じぇ「個別の政策へのご質問は討論会等でお話しください」
有権「お前アホか?辻元がわいに何したか知らんと電話しとんのか?」
じぇ「いえ、あくまで参院選の投票のお願いのお電話でして」
有権「投票の話だけか?ほんだらお前、だれに投票してもええんか?」
じぇ「そこをどうか辻元清美に一票をお願いできればと」
有権「お前アホか?何したか説明できん奴が辻元応援すんのか?アホか?え?」
じぇ「いえ、決してそのような」
有権「お前アホやろ?な、アホやろ?俺が教えたるわ、辻元はチチあれへん」
じぇ「はぁ」
(以下約30分、清美ちゃんの容姿に対するおっさんの性的嗜好について御高説を拝聴)

 

やってられまへんで。私は清美ちゃんと寝たくて支援しているわけではないのに、このおっさんは清美ちゃんとあんなことこんなことしたいかどうかについて、とてもこんなところでお見せ出来ない卑猥な言葉で滔々と説明してくれました。本当は清美ちゃんのことが大好きなのかもしれません。地域の民度が知れる。

 

朝の10時から夕方4時まで電話をかけまくり、各戸ごとの票読みリストいや票読みてこんなんで読めると思ってる時点で正気の沙汰ではないですねに○△×印をつけて提出すればようやくお払い箱です。組事務所選挙事務所を抜け出す際に、同じく電話工作員として稼働していた職場委員が申し訳なさそうに薄い茶封筒を差し出しました。公職選挙法上、立候補者から選挙運動協力の見返りとして金品を授受することは禁止されておりますので、労働組合が我々の給与から天引き搾取した組合活動費を原資とする日当が手渡されるのです。あれだけの精神的苦痛に6時間も耐えて、千円です。やってられまへんで。

 

選挙運動として効果的かどうかはともかく、電話による投票依頼行為は現行法のもとで禁止されていません。私は非組合員になりましたのであんな仕事は二度と回ってこないと思いますが、今も有害無益な電作のために有為の若者が苦海に身を沈めているのかと思うと胸が痛みます。清美ちゃんは草の根選挙運動の一環としてこんなしょうもないことが行われているのを知っているのでしょうか。

そういえば電作中1回だけ、清美ちゃん本人が組事務所選挙事務所に現れました。ナマ清美ちゃんはやっぱりさすがというか、何らかのオーラに満ちていました。当時は関西生コン事件が発覚する前でしたし(確か秘書の給与がらみの詐欺事件で逮捕されて辞職して党籍も失って無所属でしたが、なんでうちの労組は清美ちゃんを応援することにしたんかな、アホなんかな)、ソーリソーリの清美ちゃんぐらいしか知りませんでしたが、政治家はこういう空気をまとうんだなと思いましたね。清美ちゃんが本当に政治家かどうかはともかく。学生時代に講演にやって来た村山富市さんの鍛え抜かれた握手と主にまゆ毛から発せられるオーラとはまた違うものを持っていました。でも寝たいとは思いませんでした。

 

2004年の参院選、大阪選挙区は定数3に対して7人が立候補し、清美ちゃんは残念ながら4番手の結果に終わりました。2005年の衆院選で比例復活当選を果たして以降、長らく議席を保ち続けましたが、今回衆院議員の資格を失ったことで、おそらく2022年の参院選にカムバック立候補することが予想され、脈々と電作の伝統が受け継がれてゆくのでしょう。因果なことです。