working-report 2回戦

ゲーム脳はゲーム脳のままで熱を失うだけ

Pの告解

※この記事はアイドルマスタースターリットシーズンを通じて得た経験に基づく失敗談であり、攻略法に近いようなことを最後の方に書いてはいますが未だゲームクリアできておらず、それ目的の方には一切役立たないと思いますのでご了承ください。

 

皆様こんにちは。アイドルマスター スターリットシーズンを購入して、来月で1年が経とうとしています。

全員シルエットでわかるデザインって本当だね え?わからない?

ワンフォーオール、ステラステージの2作をプレイしていずれもプラチナトロフィーを獲得した(そしてこの2作以外プラチナトロフィーを獲得したことがない)私なので、1年もあれば当然クリアしているものと購入当時は思っていました。2回目のモデルナで死にかけてたころでした。

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しかし今年の初めごろ、ライブの獲得スコアがクリア条件に届かなくなり、手詰まりになりました。ユニゾンアピール(一時的に獲得スコアが急上昇する、アイドルによって異なる固有の能力)をあえて遅らせて、カウント0の直前に発動してスコアを伸ばしても、会場の好みの傾向に合わせて特定の能力が得意なアイドルを揃えても、あるいはスコア最大化を狙って配置を入れ替えても、箸にも棒にもかからなくなりました。そうはいかんざき!プロデュースの完全な失敗です。

 

こんなとき、皆さんならどうしますか。私はアイマスのプレイだけには自信がありましたから、失敗を素直に受け入れることができませんでした。何が良くなかったのか理解できませんでしたので、現状に至るプレイの検証もしませんでした。自分が堅持している方針は間違っていないはずだという信念のようなものがありました。攻略サイトを見るなどもってのほかでした。画面の端からいきなり司馬遼太郎先生が登場して、無策の乃木希典機械的二〇三高地への突撃を命じ、数多の将兵が命を散らすように、何度もアタックを試みました。

しかし、出口を見つけようとしてパターンを変えてライブに挑戦し続けるうち、私のグリーフシードは濁り始めました。まただ。アピール傾向の違いも、切替点も、タイミングも全て研究し尽くしたのに、何度やってもあいつに勝てない。パーフェクトスコアを上積みしてもクリア条件に程遠い何百回目のスコアを眺めて、心が折れました。もはや手段を選ぶ心の余裕は失われました。

 

「ルミナスショップに行こう」

 

アイドルたちのスコアアップと華々しい未来を願って(その代わりに失われる健やかな未来には目を瞑って)、飛躍的に能力を向上させる課金アイテム「URシード」(以下、種と表記します)に手を出したのです。このURは「UR葉月恋」のUR=ウルトラ・レアで、独立行政法人都市再生機構のUR=アーバン・ルネッサンスではありません。ユーアールであーる。

砕いて吸引か、炙って吸引か、ドリンクに混ぜるか

ご覧ください。自然由来とは思えない禍々しい色合いと、まるで下手くそなプロデュースしかできない私を嘲笑しているかのように口を開いたブルーシードです。デザインを考えた人に心から敬意を表したい。購入および使用にこれほど強烈な罪悪感を催す課金アイテムは私の経験上ありません。ブルーシードはダンス能力を一気に引き上げる効果があり、他にも同様に、ボーカルを引き上げるレッドシード、ビジュアルを引き上げるイエローシードがあります。

 

……これは、みんなが、元気に、最高にハッピーになれる、その、健康食品なんだ。誰にも聞かれていないのに画面に向かってしどろもどろな口頭説明を展開した後、プロジェクトルミナスのエースと見込んで育成していた白瀬咲耶さんと我那覇響ちゃんに投与した瞬間の、あの嬉しそうな笑顔!そして「お前はよいことをしたのだよ」と言わんばかりの、ハープを奏でる天使の祝福を授かったような効果音!

あんなに喜んでいるのに、そして額面通りの祝福に満たされたのに、取り返しのつかないことをしてしまったのではないかという深い罪悪感に囚われました。祝福。祝福。見たい。見たい。その日の夜、数年前に見た、警視庁制作の薬物乱用防止啓発ビデオご出演の遠藤憲一さんが夢に出てきました。

 

君は、家族の人生を破滅に導くのか。

アイドルは家族じゃない。仕事上の付き合いだ。

我那覇響君は、天と海の島でこう歌っているぞ。

やめろ。そんな話はしたくない。てか知ってんのか。

♪あっれも〜こっれも〜か・ぞ・くなもんさ〜

やめろ!やめてくれ!やめてください遠藤さん!

 

種の効果はてきめんでした。課金は裏切りません。レッスン以上の能力伸長を得た彼女たちの何人かは劇的な成果を上げました。あれほど攻略に手を焼いていたステージも難なくクリアしました。すごいじゃないか響。咲耶さんも、とりあえず裏垢問題がこのまま沈静化することを心から願っているのは置いといてなんという成長ぶりだ。これさえあれば、もうなにも、怖くない。他の子たちにも色鮮やかな種を続々投与し、圧倒的に強化された彼女たちはライブで、オーディションで、フェスで持てる能力を最大限発揮しました。

 

しかし、幸せな日々は長続きしませんでした。アイドルたちとのコミュニケーションを重ねることによって解放されるはずの能力上限が追いつかず、もはや種を投与しても能力が伸長しない事態に陥ったのです。肝心のコミュニケーションはBadもしくはNormalの連続で、スキルポイント(能力上限の解放や固有能力の強化に必要なポイント)が思うように獲得できません。焦れば焦るほど誤った判断をもたらす選択肢の数々。バックログを具に確認しても正解に辿り着けない恐怖。表面上は和やかなストーリーが展開しているのに、レッスン場に蟠る退廃の空気(私にだけそう見えるんだろうけど)。種の副作用で一時的にハイになったとしか思えなくなったアイドルたち(これも私だけなんだろうけど)。文字の台詞に反映されない、表情の落ちた、種の売人と化したプロデューサー(これは事実だな)。破滅は目前でした。

季節が過ぎ、難易度が上がった瞬間、到底クリア条件に達しないスコアが続きました。もはや課金アイテムでどうにかなる状況ではなくなりました。次の季節に進むために必要なファン人数を獲得できず、10月のプレイをもって、プロジェクトルミナスは解散しました。アイマスのゲームオーバーなんて初めて見た。この後、月内のどこかの週の初めに戻れるんですけど、もっと根本的な問題が生じている以上、どうしようもないのでした。

なんて悲しい夕焼けだ

この終わりは、あのヤバい種から始まったのです。ゲーム内のショップ「UP&DOWN」の店主、Mr.木間暮の日によって人格が入れ替わったような振る舞いを見れば分かることでした。あの店の種を買ってはいけなかったのです。それまでのプレイの問題点を、あの時にきちんと洗い出していれば、この事態は避けられたのかもしれません。全ては私が至らないばかりに起きた事故なのです。安易な手段に頼って、君たちを無茶苦茶にしてしまって、輝きをつかむことすら出来なくて、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……星は、堕ちた。

 

あの失敗から約3か月。私はようやくプロジェクトルミナスを再始動する決意を固め、最初からやり直しています。初回プレイにかけた時間は88時間でした。あの日々を決して無駄にしないために、プロデュース方針としてたった一つだけ、どんなに姑息卑怯と言われようと決めたことがあります。それは、

コミュニケーションタイムは全てPerfectを取る。

取れなければ直前のセーブデータに戻って選択肢をやり直します。私ね、初回プレイで時間の一方向性を大事にしていたのです。アイドルとのやりとりはこの1回が勝負だと心に決めて、望まない結果も全て受け入れて、やり直しを禁じて進めてました。その結果、能力上限の解放が追いつかなくなったのです。あれは間違いでした。私のつまらないプライドが彼女たちの破滅を招いたのです。連射王で知ったゲーマーとしての誇りより、どんなに泥臭い手段を使っても結果を取りに行く矢口春雄になること、彼女たちの陰りなき栄光を優先するのがプロデューサーの使命、そんなことすら忘れていました。

 

他に気をつけるべきこととして

パラメーターとスキルボードを頻繁に確認する。
能力上限の近いアイドルを優先してコミュニケーションを取る。
レッスンごとのアイドル適性を見極め、各アイドルの得意を伸ばす。
置いてきぼりを作らない。

旧シリーズでそれほど気に留めていなかったことをしっかりやれよと、これがプロデュースだよと言われているような気がしています。なんちゃってPの私たちは全てが数値化された世界にいて、コンディションが正確に把握できますけど、現実世界のプロデューサーはこうはいかないですからね。

 

現在、8月中旬まで到達し、初回プレイで6月ごろから頻発していたクリアできない事態は完全に解消されました。これならいける。いけるはずだと思いたい。とっくに周回プレイに入っているPの皆様からすれば愚にもつかぬことを書きましたが、種を使うことに罪悪感を覚えて夢にまで見るPもいるのだと知っていただけたなら幸いです。新規セーブデータに再付与されるURの種を全部有効にしてる自分がいるわけですけれど。

馬でも犬でもロロ雑巾でもなりましょう