working-report 2回戦

ゲーム脳はゲーム脳のままで熱を失うだけ

書く目的について

皆様こんにちは。ブログは文芸の一種で、話芸、水芸、腹芸のようなものです。辞書によると「文章表現による芸術」と定義されています。「これは芸術なんです」と自分から主張する面の皮の厚さよ。

しかし、物事を切り取って文章化する、誰かのセンスを通じて表現されるなにかは芸術的な営みといえばそうなんでしょう。特段高尚なことでなくても表現行為には違いありません。すすんで芸術云々言わないまでも、見知ったあるいは見知らぬ誰かに読んでもらって、何らかの感想なり評価なりを有形無形に下されるのですから、そういう気持ちで文章を組み立てるのは大事なことだろうと思います。

それで、2007年から途中ブランク2年を挟んでブログを継続してきた結果、毎日書くことなんてあるのだろうか、そりゃあるなら大いに書いて結構だけども、ないなら無理矢理捻り出さなくていいんじゃないか?という話です。要するに毎日やらない言い訳です。

書くって楽しい、のかな

まず、インプットのないアウトプットはあっさり見破られます。

そして、文章の巧拙、それも文法的な巧拙だけではなく、語彙的な巧拙も含めて、ブロガーの文章経験をこれ以上なく残酷に露呈します。

ブロガーの悩みにネタ切れを挙げる人がいますが「私はネタがあれば何でもさばけますよ」という無自覚な傲慢を感じるのと、インプットもなくものが書けるわけないじゃない?と思ってしまいます。

高級魚をノコギリを引くようにぶった斬った上坂すみれ(敬称略)のように、どんなに極上のネタが揃っていてもおいしく料理できる技量がなければいい記事にはなりませんし、ネタは自分の中から油田みたいに湧出してくるものではないので、自分から取りに行く必要があります。

 

技量向上に関しては人の文章を読むことと、自分で書いてみることしか方法はありません。なんでって、文章をうまく作ろうと思えば、人の構文を見て真似てみること、自分で書いてみること、そこからさらに工夫することでしか伸ばしようがないからです。芸術的文章表現を志す人も最初は必ずこれをやります。そして技量向上は極めて創作的な頭脳労働なので時間がかかり、一定期間継続して行わないとせっかくの技量も衰えます。

また、文章を読むことは技量向上に資すると同時にインプットでもあります。人が書いたものはもちろん、自分が書いたもの(アウトプット)すらインプットになり得ます。ほら、一度自分を通り抜けた何かのことって、いつまでも覚えていられないじゃないですか。昔の女のこととか。

私の場合、数年前の記事を読むと恥ずかしくなります。恥ずかしくなるということは、当時よりも知性が前進しているってことだろう、な?と仮定しています。随分前に自分が書いた記事を「いい記事だ」と本心から思える日が来たら成長の終わりです。何かを表現する人は永久に表現に満足しない、だから書き続けるのです。

 

以前、表現行為は承認欲求の塊みたいな話も書いた、ような気がします。調べてみたら去年の暮れでした。2ヶ月前やんけ。

working-report2.hatenablog.com

誰にも読まれない、見てもらえないのに表現したがる人はいないと思います。ビジネスのためとか文章スキルの上達とか、真偽の程は別として自分用のメモとか備忘録とか掃き溜めとか、個人的な優先順位はあるかもしれませんが、ものを書いてインターネットに晒している人は誰でも少なからず承認欲求を抱えています。私はいつかこれがお金になったら最高だろうなぁ、すぐ会社辞めるのになぁ、ここでは書けないどこかにも行き放題やなぁとか考えてます。本当の欲求、願いを隠しているとロクなことになりません。素直に「フーゾク行きたいです」って書いてない時点でどうなんでしょうね。

ところが、考えていることを誤りなく伝えるように書くって難しいんです。インターネットは匿名性の高い空間ですが、どこかに虚飾が入って、自分を美しく見せようとする機制が働きます。私の場合は周囲にブログの存在をバラしているので匿名ではないという事情もありますが、別に知らせんでもええ事つまりダメな事をいっぱい書いてる気がします。

これは、何らかの表現によって自分を認めて欲しい気持ちも、その表現によって自分が人からよく思われたい気持ちも、同じ承認欲求を基点にしているからです。可能な限りこれを排除しないと、読んでくれる人に何も届きません。グルメサイトの詩人並みにうすら寒い、真実味の薄い文章になってしまいます。自分は書けたと思っても人はそう思いません。あれにもfacebookのようにいいね・ひどいね機能があったら私は全部ひどいねを押します。口コミなんてものは見知らぬ他人から伝わったりしません。

 

ブログを通じての交流がかつての私にもありました。ameba時代に知り合ったお友達とは今でも日本酒を贈り合いする間柄です。はてなブログに引っ越してからそういうの一度もないですね。たぶん、10年単位でブロガーのマインドが変化しているからだと思います。もうこれは仕方がない。書いてる私もいつまでも若いわけじゃないもの。今から「さぁ交流しましよう、つながりましょう」なんて言われたらかなり気持ち悪い。

 

ブログをめぐって誰がどのようなことを目指しているのかは多種多様ですが、続けるからにはちゃんと考えた内容を、毎日でなくてもいいので細く長く続けるってぐらいのやり方が私には一番あっているようです。