working-report 2回戦

ゲーム脳はゲーム脳のままで熱を失うだけ

大学と私(3)

皆様こんにちは。関西あるある鉄道駅勘違いのコーナーです。

JR和歌山駅と南海JR和歌山市駅。JR福島駅とJR新福島駅と阪神福島駅。JR天満駅と京阪大阪メトロ天満橋駅

あるあるとしながら私自身絶対間違えないと思ってたのに、がんこ寿司の天満店と天満橋店を間違えて鯖寿司を誤発注しました。その節はご迷惑をおかけしました。今後このようなことがないよう気をつけます。

 

ところで大昔のNHK金曜ドラマ「包丁いっぽん」で、和歌山駅和歌山市駅の待ち合わせを勘違いしたかもしんないエピソードでつみきみほが号泣しながら萩原聖人に泣いて駆け寄って抱擁するシーンがありました。

私も大学生になったら萩原聖人みたいなイケメンになって、つみきみほみたいな可愛い女子大生に抱きつかれるんだろうと思ってました。

現実を知らないチェリボーイのあまあまな妄想はKO義塾進学後はかなく溶けたどころか、大学生になって初めての彼女になったかもしれない跡見短大女子ルートは、同じサークルの先輩に先手必勝NTR一本負けを喫しました。

 

サークルガイダンスで話している様子を見た時の聖人先輩(仮名)はフランクで優しそうな方でした。サークル入りしてからも大変面倒見のいい、尊敬できる方でしたので、こんな先輩と合コンに行けば先輩がモテるに決まっていて、関西弁でやかましくしゃべるだけの私に勝機がないことは分かっていたんですが、まさか先輩も褐色系女子がお好みだったとは。名前は神々しくても人間的な営みはやるんだなと。

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たびたび参考にされる駅メモのメイちゃん

嘘偽りなくこんな感じの女子短大生だったんです。

シンガポールに家族旅行したときホテルでお湯の出し方に困ってフロントに電話したら可愛いメイドさんの服でトコトコやって来た女の子みたいな、目鼻立ちが日本人というよりエキゾチック・エイジアンな、あまり見ないタイプの子でした。

人生初の海外旅行は終盤に親父の酒乱が始まってホテルに大迷惑をかけて楽しいどころか死ぬほど恥ずかしい旅になりましたけどね。

覚えてるのは買い物の支払いに円が強くてシンガポールドルより好まれたことと、だだっ広いチャンギ空港の待合と、黒い肌に白いジャケットが恐ろしいほどよく似合う屈強そうなラッフルズのベルボーイと、オリエンタルのメイド美少女だけです。

思い出補正ですか。ないとは言えませんね。NTRれた子の名前ですか。思い出せないんですよ。悪い夢でも見てたのかもしれません。

 

萩原聖人は私ではなく聖人先輩(たぶん仮名)でした、ゲラゲラゲラ。そんなことがあっても相変わらず聖人先輩(仮名だったかな)は人格者でした。本物のイケメンは違う。

当然ですよね、私が恋心を寄せていた相手だったとは知らないわけですから。知っていても何も変わらず振舞っていたのかもしれませんけど。

 

ただ、それなりに時間と手間とお金をかけてようやく見つけた彼女候補が誰かの手で持ち去られた感覚が抜けない私は、サークルにいるのがつらくなりました。

前期試験を綱渡りでクリアした後、7月初旬から9月中旬まで続く大学生の長い夏休みが明けて、そんな長い休暇が明けても運転免許試験をクリアできない私はまだ実家付近の自動車学校にいて、必修のフランス語を2コマほど休んでようやく合格したAT限定(ほんとセンスないんですよ)を持って学校に戻ったとき、聖人先輩(仮名ではないかもしれない)と同じ2年の先輩に、苦しさのあまり、聖人先輩(うそ、まさか本名?)がものにした彼女が好きだったことを打ち明けました。

 

黙って聞いていたその先輩は、こんなことを言いました。

 

「まぁそんなこともあるよな、でも相手がアイツなら仕方ねぇだろ?立ち向かえるほど腹据わってんの?女は体開いたらそれまでなんだよ、わかるだろ?あ、オレの感想言おうか?あの子はいっつもあんな感じなんだよ、たぶん誰でもいいんだぜ?オレ?あぁ、ヤってねぇけど?だから気にすんなよ、跡見はいくらでもあんなのいるからさ」

 

……慰めるつもりで言ってくれたんでしょうけど、生々しい現実を正視したことのない、プラトニックな恋愛しか知らない田舎出の私にはあまりにもショックでした。

そんなに簡単に肉体関係まで発展しちゃうの?そんなに簡単に心って通じあうものなの?セックスに心は関係ないの?好きだからするんじゃないの?アノコノアソコ、ガッバガバなの?

私は何がしてほしくて、この先輩にこんな話したんだったっけ?それにしても先輩噓へったくそだなおい!最高じゃん!私にもさっさとヤラせろよ!穴兄弟サークルじゃん!ギャルは公共財なんだぜ~かよ!

千々に乱れる心というものがあるならばこの時を措いて他にないと思います。

 

淫乱。ヤリサー。モテたいとか、彼女が欲しいとか、そんなチンケな希望を軽々と越えてゆく放埓でした。なんだろう、肌の浅黒い女の子って、そういう気質を持ってる子が多いのかな。

修学旅行先のオーストラリアで同じ班になるよう彼氏からくじに細工を依頼された私の同級生の女の子も、かしこぶってる脳筋野郎の同級生から人前で「淫乱クイーン」なんて呼ばれてたけど、あれセクハラどころか名誉棄損だよな。

 

今の私はともかく、あの頃はそんな享楽がどうしても許容できませんでした。

合コンを重ねて仲良くなって彼女が出来たその先は、確かにそういう世界があるのかもしれない。相手の女の子もそれが分かっているから、学生の今しか許されない放埓だから、体を開くまでのハードルは低いのかもしれない。フォークダンスのように次から次へ性的経験を重ねることで得られる境地もあるのかもしれない。

だけど、あまりにも不潔すぎやしないか。こんな狭い身内でスワッピングするために合コンを続けてきたのか。たまりで談笑しているあいつもこいつも、みんな同じ女を経験しているんだろうか。

あんなに尊敬のまなざしを向けていた聖人先輩(やばい、本名かも知れない)もそっち側の人なんだろうか。

 

それは、なんか、嫌だな。

 

ここにいたら人間の心が腐ってしまうと考えるようになり、文化祭が始まる直前の11月、軟式野球サークルを去りました。

冬のある日、日吉キャンパスで1度だけ、聖人先輩(本名だな)と同級生たちが歩いているところに出くわしましてね。

 

同期「あ、gently」「久しぶりだね」
じぇ「あー、うん、元気?」
同期「お前戻って来いよ、つまんねぇよ」
聖人「なに?だれ?行こうぜ」

 

颯爽と無視されました。続きはまた。