working-report 2回戦

ゲーム脳はゲーム脳のままで熱を失うだけ

大学と私(7)

皆様こんにちは。おととい、古書店の友人宅で開催される月1回のスナックイベントに出かけてきました。スナックといってもママがお酌してくれるわけではなく(男女問わず色々なママがいるときもありますけど)、その日のお客さんとワイン(ワイン!)と食事を楽しみながらスペースシャワーTVを見てたらLOVEマシーンのPVが始まって、思い出しました。

こんな風にパリーやるのよ

いくらで売れるか見たら二束三文だった

学生時代末期、結婚(むろん私ではなく相手の)を機に接点がなくなった地元の友人からプレゼントされたもので、私の家に現存する唯一のハロプロ追っかけの名残です。

当時も今も、私は生粋のハロプロファンではありません。今のモーニング娘。のメンバーなんて一人も言えやしません。ASAYANなんて見てませんでしたし、愛の種5万枚手売りイベントなんて後から聞いて知ってる程度です。大学同期にもアイドル追っかけしてる友人なんていませんでした。ではなぜハロプロ沼に堕ちたのか。今回はあれの続きです。

 

綺麗でエッチで女に嫌われる女だった彼女と交際を始める前、大学2年の夏ごろから家庭教師のアルバイトを始めました。当時●ネッセが立ち上げたばかりの事業で、会員のご自宅に伺って家庭教師をする傍ら、テストモニター0期生として他のアルバイトたちと、●ネッセらしい家庭教師とは何ぞ、●ライと差別化するにはどうしたらいいんだべ、みたいな意見交換をしにわざわざ京王多摩センターまで繰り出したりしてました。あれは形を変えたインターンシップだったんでしょう。その後のES選考で見事に落ちましたが。

 

1年半ほどお世話になった期間中、私が受け持った生徒は男子中学生が2人、女子高校生が1人。最初の半年間に受け持った女子高校生の話だけで小説並みの分量になりそうですが、極力圧縮します。

東京の下町で理髪店を営むご夫婦の長女で、こっちがどうにかなってしまいそうなほど可愛い子でした。中山エミリ、今の若い人は知ってるかな。最近は通販番組でしか見なくなってしまいましたけど、若い頃の彼女と見間違うほどそっくりでした。お父さんに似た娘は大体美人になるとおかんはよく言ってましたが、本当にその通りでした。ちゃんとした丈のスカート、きちんと着こなしたセーラー服に、ルーズソックスはいて、ちゃぶ台の隣に正座してる、背筋が伸びた折目正しい中山エミリにみっちり2時間英語を教えるのです。半年もよく冷静でいられたなと思います。

彼女は伸び悩んでいるというわけでもなく、文系科目できっちり90点台後半を取る賢い子でもありました。私が教えた成果かどうかわかりません。そもそも都内で名の知れた国立高校(くにたちじゃないよこくりつだよ!くにたちも偏差値高いけどそれ以上だよ!)に通う彼女に教えられることなんて本当にあったんだろうか、言っちゃなんだけど●ネッセ教材のハイレベルでもカバーしきれないほどレベルの高いことを教えてる学校の子に何ができたんだろう。

……テストモニターというのは本格的に事業展開する前に、教師と生徒のいろいろな組み合わせを試して、●ネッセの家庭教師を実際に欲しているのはどんなご家庭なのかリサーチするのが目的です。0期生は30人ほどいましたが、大学のレベル感もまちまちで、男女もほぼ半々程度に集まってました。要するに私はハイレベル生徒✖️ハイレベル教師のカップリングだったのではないかな、この組み合わせでは学習効果を感じにくいことがわかった、そういうテストだったんだなと思うことにしています。そのほうがカッコいいじゃないですか。

 

半年のモニタリング期間が終了し、以後も引き続き家庭教師として派遣を希望するかとの質問に対して彼女のご家庭からNOを提示されました。この結果を受けて、●ネッセ本部に「総括」を求められて出頭しました。

 

担当「なぜ継続してもらえなかったと思う?」
じぇ「目立って成績が伸びなかったからです」
担当「なぜ伸びなかったと思う?」
じぇ「教え方がまずかったからでしょうか」
担当「それを考えるのがあなたの仕事です」

 

最後の授業で、ご家庭が私に気を遣って金一封を用意してくれたのですが、特に成果を上げられなかった者に褒賞なんていらんだろうみたいなやっすいプライドと、あるいはこの後の彼女に危害が加えられたりすることのないように安全解決を図っているような気配を感じましたので、受け取りを固辞しました。まぁ実際、金くれるなら彼女くださいと思ってました。逮捕待ったなし。あれいくら入ってたのかなと今でも時々思い返しては悔やむことがあります。人間なんてそんなものです。

そういえば、私が風邪をひいて1回授業をパスしたことがあったのですが、明けの授業でお母さんから冗談混じりに言われたことが今でも忘れられません。

 

「gently先生ちにお粥でもなんでも作らせに行きますよ、なんなら泊まり込みで看病させましょうか?」

 

そんなのお粥だけで済むわけないでしょうお母さん。

 

……てっきり「総括」後にクビを言い渡されるかリンチにでも遭うかと思ってたんですが、0期生として後進家庭教師へのチューター的な役割も経験しながら、引き続き生徒さん向けの家庭教師をやってもよいとの話でした。

 

担当「続ける上で何か希望はありますか」
じぇ「女子高校生だけは外してください」

 

次に私が受け持ったのは、受験を1年後に控えた中学3年生の男子と、週に7つの習い事を背負わされて疲弊しきっている中学1年生の男子でした。大学3年の始まりから受験生の運命を引き受けることになり、この受験生が、私をハロプロ沼に引きずり込んだのです。

本日はここまでにいたします。読んでいただいてありがとうございます。まだまだ続きます。