皆様こんにちは。前回のアニソン話で書き切れなかった続きを書きます。
歌手の黒崎真音さんが、ご病気のため35歳で亡くなられました。私は彼女の熱烈なファンでも、楽曲をそれほど知っているわけでもありません。iPhoneのプレイリストに含まれているのはヨルムンガンド2期のOP「UNDER/SHAFT」この1曲だけです。以前、配信ライブ中に救急搬送されたのは知っていましたが、完全に回復したと言われていた矢先のことで、訃報を聞いたときはにわかに信じられませんでした。
私が深夜帯のテレビアニメを見始めてから20年弱、その途中から彼女の歌がOPやEDで流れ始め、もっと色々な歌を聞かせてくれるものだとばかり思っていました。そういう人が突然いなくなる、それも引退や廃業ではなく死別という想定しなかった事態に気持ちが対処できていません。
個人的に親しいわけでもないのに彼女の死を重く受け止めている自分のありようは、俯瞰して考えてみたらちょっと変なのかもしれません。ただ、理由はこの上なくシンプルで、近況を知る立場になく、アニソンシーンにいて当然という思い込みもありましたが、何よりショックだったのは、私よりずっと若いことです。
私より若い人は当然私より長く生きるもの、病気や事故のリスクはあっても若ければなんとかなると考えていたのが実はそうじゃない。そして私自身もいつ、どのようなことが起きても不思議はないという思いの移ろいに頭がついていかないのです。
分かってたはずのことなんです。今年で44なんだから体に気をつけないといけないよね、何があるかわからないよねと考えることは度々ありました。ただ、歌を通じて身近に感じていた若い人の死が具体的な形で提示されたとき、実はなんにも分かってなかったことを突きつけられたのです。
いつのことかはわかりませんが、いずれ死はやってきます。私が死を迎え入れねばならないとき、その時の周囲の人たちはどう思うのだろう。逆に誰かの死を受け入れねばならないとき、私はどう思うのだろう。それまでにしておかねばならないこと、あるいはしておきたいことはなんだろう。今も答えの出ないそれらをぐるぐると考え続けています。どこか他人事のように思っていた死は、対岸の火事ではないことを改めて思い知らされました。
心より哀悼の意を捧げるとともに、これまでのご活躍に感謝を申し上げます。