working-report 2回戦

ゲーム脳はゲーム脳のままで熱を失うだけ

お酒を求める理由

4月。管理部門の会社員は多忙の極みにあります。前年度末の締め作業に続いて決算資料を作り、計算書類を作り、事業報告を作り、取締役会に諮って、監査役もしくは取締役監査等委員、さらに会計監査人に提出して裁断を仰ぐまでの途方もないプロセスの数々を乗り越えねばなりません。5月に入れば計算書類および事業報告の修正、監査報告の適正意見、招集通知の作成発送と続き、6月の株主総会まで息つく暇もなく時が流れます。

このように重要業務目白押しの春に見る予定のテレビアニメが40本/週を超えました。1話ラッシュ後の週間フル稼働が始まると飲みに行く暇がなくなるので昨日行きました。

最近お気に入りのヘブリディアンジャーニー

やっぱりアイラです。初めてアイラを口にしたとき耐え難かった消毒液みたいなニオイも今や、職人のこだわりと島の海風を感じる芳香です。ところで皆様はアイラ島がどこにあるかご存じですか。

アイラ島スコットランドにある人口400人ほどの島です。主産業はウイスキー製造。

そしてアイラ島は遠くて高い。関空から往復50万円オーバー。このブログを収益化しない限り、私の安月給程度では到底行くことなど叶いません。まず、パスポートがありません。最近全く話す機会のない英語はうろ覚えです。ハロー、ドリンク、アイムラビニット。ひとりで海外行っても大丈夫なのか私。私とアイラ島の間に立ちふさがる距離以上の障害多数。私をアイラに連れてって。Take me to Islay.我請連行姶良島。鹿児島連れて行かれそう。

www.shinchosha.co.jp

アイラの風をお手ごろな価格で感じるには村上春樹先生の本を読むのがおすすめです。1,000円弱でアイラ島のおじいさんがニコニコしながらグラスを傾ける様子が見られます。またこの本が読みたくなったのでついさっき買ってしまった。

 

……年齢を重ねてから、飲み仲間に教えてもらってオーセンティックなバーに行くようになりました。少し前もバーに行く習慣はありましたが、あそこはフランク、カジュアルなバーでした。そのバーができてなくなるまでの顛末はこちら。

working-report2.hatenablog.com

なんでおっさんはバーに行くのか。女連れていいカッコしたい場合もありますが、大半はそうじゃありません。先のなくなってしまったバーの場合は人と知り合って飲み仲間を作ってワイワイ楽しくやることが目的でした。元マスターがそういう飲み方をよしとせず排除にかかったのはもう忘れよう。

 

酒なんて飲もうと思えばどこのバーでも飲めますし、マスター、バーテンダーさんの腕前もそれなりのはずなので、限られたバーを選り好みする必要なんて本来ありません。それでも決まった場所に行くのは、バーが持つ空気と合うかどうか、自分のような者が客として行った時に歓迎されるかどうかが大事だからです。

お酒の味、特にウイスキーはロックやストレートであれば、どこで飲もうがほとんど変わりません。しかし、バーの空気と自分の気分次第で感じ方は変わります。カクテルなんて尚更です。どんなに上手に調合できても、居心地の良さが提供できなくなったバーは衰退します。どことは言わないけれど。

 

自宅と勤務先以外の場所をサードプレイスなどと呼んだりします。大人はそういう場所が必要なのです。なぜ必要なのか。それは鹿目詢子さんの言葉を借りましょう。

 

大人は誰だって辛いのさ。
だから酒飲んでもいいってことになってんの。

 

私は家に帰っても一人ですし、職場環境も劣悪というわけではない(ただし言語化できないストレスはある)ので実感を込めてこの言葉を操ることができません。

しかし、ご家庭をお持ちの労働者は、家に帰れば奥様もしくは旦那様や舅姑や子供(特に年頃の娘)から鼻つまみ者にされ、勤務先では怒涛の業務と、社内権力がからみあう複雑な人間関係に疲弊するだけになってしまいがちです。そんな両端の往復だけでは、人間壊れてしまいます。美味しいお酒と、マスターとのちょっとしたやりとりで心の回復を図るのです。

 

その一方、居酒屋でビールとアテが日本におけるお酒の嗜み方の主流です。毎度バーに行くのはさすがにお財布が持ちません。もちろん居酒屋には居酒屋なりの飲み方があります。気の合う誰かと、あるいは一人でふらふらとその辺にヒョイっと入ってちょっと引っ掛けて次の店に行く。そんな楽しみ方もあります。お気に入りのお店があるならなおいいじゃないですか。

でもチェーン居酒屋とうちの界隈みたいなやかましい店は絶対嫌。なんでって、客筋も酒も悪すぎるからです。デカい声で喚き散らす輩がいたり、ビールと称して加水してたり、ビールって書いてあるのに発泡酒を平然と出す店があったり、日本酒の管理が全然なってなかったり、バイトの愛想が悪かったり、アテの味が最悪だったり、便所に入ったらゲロまみれだったり外出たと思ったらあちこちゲロだらけだったり散々です。あれを酒文化なんて呼んでほしくありません。

 

春アニメが本格始動するとやや足が遠のくだろうお酒の桃源郷について、お酒を嗜まない方にも伝わるようにと願いながら書いてみました。適量と限界を知ることについてはまた稿を改めます。