working-report 2回戦

ゲーム脳はゲーム脳のままで熱を失うだけ

あの事務所について

皆様こんにちは。今月の仕事の山はとうに越えたのに、プライベートが意外と忙しくてブログをほったらかしにしててすみません。充実した休暇を過ごしたのでネタ満載です。今回はその中から一番貧弱なやつを記事化します。

 

最近、ジャッジアイズの最初のほうを再開しました。

judgment.sega.com

少し前にPSPlusでフリープレイが解禁され、加入してた昨年まで遊び続けたものの、みんGOLのオンライン終了とともに脱退したのでPS4のデーブデータだけが残ってて、新価格版1,980円を改めて購入したと。

そしたらどうだ、PS5に移行したらPS4のデータは使えませんですってよ奥様!!仕方なく最初からやり直しです。別に構わないんですけどね、このゲームめちゃくちゃ面白いので。ミステリードラマとしても大変秀逸ですし、ほぼ麻雀ゲームという説もあります。へいわでわりょっちゃおう!

 

サイトをご覧いただくとお分かりのとおり、主演・木村拓哉(以下、キムタク)のカッコよさが冴え渡るアクションであり、その面白さの大半を占めるのもキムタクです。脇を固める豪華俳優陣もすごい。あえて全員CGにする意味は考えない。

世間一般にキムタクは男前、イケメンと言われます。背は高くないけど。このゲームでもキムタクは最高にイケてますし、なにより面白い。それもキムタクのカッコよさを損なわず、逆にカッコいいから面白いという、ファンの皆様に伝わりにくい表現しかできない私をお許しください。

ジャッジアイズにはキムタクならではの面白さがあります。万が一キムタクがいなくなったらこのゲームの面白さは9割がた失われると言ってもいいでしょう。当初のバージョンでは敵役のヤクザをピエール瀧が演じていましたが、発売直後におクスリで逮捕されたため別人に差し替えられる不幸も経験しています。

 

私と似たような気持ちを、行き過ぎていない正常なジャニーズファンは感じておられるのではないでしょうか。

 

故人であるジャニー喜多川氏が社長の時代、所属タレントの少年およびマネージャーなど数百人に対して性的行為を強要し、その集客力と人気に目がくらんだ事務所関係者および芸能・報道メディアが見逃し続け、その被害実態がいまだ明らかでない件が大炎上しているのは皆様ご承知の通りですので、報道等を詳細に書き出すつもりはありません。

……ちょっと余談ですが、この件ですべてを明らかにすべきだみたいなことを主張する人たちに一つだけ言いたいことがあります。

自分がもし性被害を受けた当事者だったとして、何十年も前のことを今更世の中にさらけ出されたら、どう思いますか。芸能界に限らず、一般社会であっても、これまでと変わらず生きていけるでしょうか。

一部の勇気ある人たちが告発したのをきっかけに大きく燃え広がった訳ですが、それを望まない、その場に出ることをよしとしない当事者がいることぐらいは察してほしいものです。

 

ジャニーズ事務所所属のタレント起用をめぐり、テレビ局や大手企業がこぞって契約更新見送りを表明しています。まもなくテレビからジャニタレが消えるかもしれません。

これは「変態ジジイが美少年に発情してヤりまくりました」みたいな下世話かつ一時的な問題ではありません。性被害は人権侵害であり、忖度文化著しい日本はともかく、世界が極めて厳しい視線を向けています。

 

「ジャニさんとことは取引できないよぉコンプライアンス的に」という大手企業の姿勢に私は賛成です。ジャニタレを起用し続けることで自社がこうむるであろう不利益、具体的にはブランドイメージ低下、売上の減少等を見据えての判断は当然と言えます。

その一方で「タレントに罪はない」という観点から考えると、加害者がとっくに死亡している状況で、しかも加害者ではない、むしろ被害者かもしれないタレントたちが経済的な不利益をこうむるのはおかしいとも思います。これは契約に基づくルールの問題ではなく、情緒の問題です。

 

私は特別ジャニーズのファンというわけではありませんが、メディアを通じて触れてきた彼らの個性や演技力には見るべきものがあります。それがある日を境にテレビで見られなくなるのは単純に寂しいですし、惜しいことです。

それに性加害は業界の問題どころか、ファンではない私たちでさえ薄々知っていたことです。見逃していたのはジャニタレを見ていたほぼ全員なのです。なので外側にいる私たちも、殊更業界人を悪く言える立場ではないと思います。

しかしながら、これまでジャニタレに嫌悪感を抱いていた人たち、いわゆるアンチがSNS界隈で騒ぎまくっているようです。ジャニーズはけしからんので所属タレントごと日の当たる世界から消し去ろうとする、いわゆるキャンセルカルチャーです。これを私は害悪と断じます。

 

そういうことする人って、ちょっとおかしいんですよ。社会正義に見せかけたうっぷん晴らしです。「ジャニタレが嫌い」という本音の上に、それっぽい正論を乗せて人を糾弾するのです。

事務所の解体、謝罪、沈黙を貫く方々を含む被害者への補償、などと言葉にするのは簡単ですが、事務所としての責任の取り方がどのようであるべきかなんて芸能の裏側の素人である私にはさっぱりわかりませんし、人気商売である以上なるようにしかならんでしょう。

事務所の責任問題と、現在活動しているジャニタレの露出機会を絶つことには何の関係もありません。現在ジャニタレを起用している、あるいは今後起用を検討している法人の自主的な判断に委ねられる問題のはずです。

仮にジャニタレ起用を継続する法人があったとしても、企業を責め立てる口実にはなりえません。ジャニー喜多川の大規模性犯罪という反論の余地がない問題と、ジャニタレ起用の問題を直線状に並立させて、ポリティカル・コレクトネスを盾に、無関係な人間が他者をいたぶる行為は極めて悪趣味です。

 

 

……今回このようなことを書いた背景には、このキャンセルカルチャーが肥大化して、ジャッジアイズからキムタクが消える事態もありうるのではないか?という私の馬鹿馬鹿しい妄想に起因していますが、すでに日本マクドナルドはキムタクの起用を現契約限りで見送ることを表明しましたので、あながち妄想というわけでもなくなったかもしれません。show must go onとか、外人にもわかる抗弁なんかするからや。

キャンセルカルチャーの行きつく先は、何をするにも息苦しい硬直した世界です。ジャニー喜多川はとんでもなく悪いことをしていました。しかし、薄々知っていながら、ほぼ全員が見て見ぬふりをしました。それが芸能界だと私も当時は思っていましたし、彼らだって積極的に報道したところで万が一ジャニーズ事務所にボイコットされればテレビ局存続の危機になりえたでしょうし、それが事実であったとしてもジャニタレの起用に影響するだろうなんてことを考えなかった。

時代のせいにするのは卑怯かもしれませんが、当時の「常識」を現在の価値観で断罪し始めたらキリがありません。ジャニタレの息の根を止めて一時的に留飲を下げても、何かが良くなるわけではないのです。

とはいえ。企業の責任問題への向き合い方としてのキャンセルカルチャーは今後もなくなることはないでしょう。世の一部の人は正しいこと、正しい言論に見せかけて、大勢の人を傷つけるのでしょう。それがたぶん、人間の世界なのでしょう。