working-report 2回戦

ゲーム脳はゲーム脳のままで熱を失うだけ

転職する気ない私の転職話

皆様こんにちは。最近、当社と取引のある3メガの営業さんが続々と転職してるんです。20代から30代中盤までの若い人たちです。すごいですよね、超大手と呼んで差し支えない、私のイメージでは日本の経済界をリードし続ける金融業のトップに就職した人が5年そこいらで辞めて、スタートアップとか未来のユニコーンに行くんですよ。

確かに、金融業と旅行業は仕事がハードすぎて離職率が5割前後と聞きますから珍しいことではないのかもしれませんが、転職の理由を聞くと

「自分のスキルを高めることで、市場価値を高めたいと考えました」

と真顔で答えるんです。仕事がきつくて辞めますとかじゃなくて、もっとサバイバルな環境に身を置いて自分の値打ちを上げに行くんだと。

……なんというか、本物の俊英たちがどれくらいいるのか知らんけど、案外この国は捨てたもんじゃないかもしれないですね。

いま日本に覆いかぶさっている閉塞感の原因は、無駄な仕事が多いことと、そういう仕事ほど給与待遇が高いせいだと思うので、人様の役に立つ仕事が経済的に高く評価される国になってほしいなと思います。国の経済のあり方を根本的に変えることになるでしょう。

 

そんな風なので、いかに優秀な人材が当社に出入りしているか肌感覚で理解しました。会社に腰かけて定年までのんべんだらりやっていこうとか考えてた私は恥ずかしい。正直、20余年のキャリア形成を通じて、今の自分に何らかの付加価値があるなんて、ひいき目に見ても思わないです。

入社早々残業上限に引っかかるほど馬車馬のように働いた法務を2年。
不親切な先輩から何の引継ぎも受けられず手探りだった財務を3年。
私の特性にガッチリハマり、一番輝いていた特殊業務を4年。
その代償と言わんばかりの迷走企画部門を2年。これは別記事で詳しく書きました。

前職で救急搬送された記憶を消し去る心身回復を果たした滋賀県勤務を2年。
連続外部出向記録を達成したうえ丸の内サラリーマンライフを続けた東京勤務を2年。
管理業務に戻されるのかと思いきや専門性が高すぎるサイバーセキュリティを3年。
そして管理全般を担う現職で4年目。

何がキャリアパスやねんって言いたい気持ちわかりますかね。学卒総合職の求人情報なんか見たら「幅広い職種を経験することで視野を広げ、将来の幹部候補生として育成云々」とか書いてあるじゃないですか。就職活動なんてもう二度とごめんですけど、斡旋サイトなんかそういう情報盛りだくさんじゃないですか。でもそれは裏返すと「ボロ雑巾になるまでどこでもなんでもこき使ってやるから覚悟しな」ってことなんですよ。

少なくとも私のキャリアを振り返った限りにおいて、どういう自分になりたいか、ある程度会社にも伝えたつもりでしたけど、結局会社都合の玉突き人事でどこへなりとも行かされて、うまく行けばキャリアアップ、そうでなければ自己責任、これが総合職の宿命なのです。

大半の人間にとって逃れられない労働の時間は一生の大部分を占めますけれども、その労働の過程で、人間は社会の中で等級付けされます。仕事のパフォーマンスを示す評価が、時間の経過とともにくっついてきます。その積み重ねを経て、自分はこの先どうすべきかを考えるのは結局のところ自分なんですよ。周りは助言してくれるかもしれませんけど、しっくりくる回答を探さないといけないのは自分自身です。人の言いなりではいけないし、人のせいにしてもいけない。

 

現状のキャリアで、果たして社外の採用担当者なり転職エージェントなりはどんな興味の示し方をするのかちょっと知りたくなったので、数日前に転職サイトに業務経歴と希望年収(現状を若干下回るくらい)を登録してみたところ、

1日平均20件

わぁ、私ってもしかして人気者なのかしら。迷惑メールレベル。一々見てられへん。労働市場の流動化と言われて久しいものの、ありとあらゆる業種で経理系人材が不足しているらしいことと、機械的に転職斡旋やってるサービスの温度感はよくわかりました。

現状転職する気はさっぱりないのですが、先日発表された自社グループの決算短信を見て、以前から沸々と感じている会社の方向性に対する疑問が大きくなってはいます。音楽性の違いで解散する売れないバンドみたいだな。

本当に転職したくなったら、人間のエージェントと膝詰めで相談しないとダメですね。