working-report 2回戦

ゲーム脳はゲーム脳のままで熱を失うだけ

不倫と芸

皆様こんにちは。声優の櫻井孝宏(敬称略、以下同様)が干されています。

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彼の女癖の悪さは業界にとどまらず手前共のような声豚にとっても常識でしたが、不倫関係にあった女性の一人が訴訟を始めたらしく、所属事務所を巻き込んでの騒動になっているようです。

 

……こういうときに、身から出た錆というのでしょう。芸と私生活は別、芸さえしっかりしていれば私生活がめちゃくちゃでも構わない、女遊びも芸の肥やし、とまで言ったかどうか、彼の性的だらしなさを肯定的に捉える意見もあるようですが、それは情報流通が限られた時代、初代桂春団治が女房も泣かすくらいの破天荒な人間だったためにごく身内の者が当事者を庇うための常套句であって、外野で彼の芸しか見てない私たちがそれを言うと、物分かりがよすぎるただの変態です。普通の対人感覚を持った人からすれば「あんた、櫻井孝宏のなんなのさ?」って思われますよ。

不倫のイメージ(提供:いらすとや)

そもそも不倫は悪いことなのでしょうか。はい、間違いなく悪いことです。だって、結婚後の男女が婚外の男女とコンドームもつけずにセックスしちゃうんでしょう?奥さんもしくは旦那さんがどんな気持ちになるか想像つくでしょう。そんなので赤ちゃん出来ちゃったらもう目も当てられませんよ?泥沼の法廷闘争も辞さない人が出てきてもおかしくないでしょう。時代劇なんか見てると、大きくなったおなかを鞘の石突でドスドス突きまくる鬼みたいなお武家様が出てきますけど、あれに等しいことが我々の知らないところで現代も行われてるんでしょうなぁ。恐ろしいことです。だから不倫は悪い。

 

でもね?悪いことだからやりたくなるんですよ。背徳的なセックスの恍惚感は少し前の失楽園、さらにさかのぼれば阿部定事件を題材にした愛のコリーダにも描かれてますし、江戸時代には正室側室がいながら男色に手を出した大名もおりますし、もっと古代にさかのぼれば父殺しのオイディプス王が母と不義密通してしまうなんてのもあります(これはちょっと違うかもしれませんけど)。

芸事に身を置く人ほど浮いた話が多いですよね。特に梨園は色恋沙汰を聞かない日はないってくらい。悪事に手を染める感覚を芸と肌で理解しているからこそ溺れたくなるものなんでしょう。芸の肥やしとよく言われるのは、演技の幅を広げるうえで人が合法的に知覚しうる悪徳を実体験することは、プラスになってもマイナスになることはない程度の意味でしょう。彼が本当にそういう感覚で不倫しているのかどうかは知りませんけど。

基本的に世論は不倫を許しません。なぜ許さないか。悪いことだからです。もう一歩踏み込むと、自分が不倫の当事者にならない限り「不倫は悪いことだ」と言い続けられるからです。どういう意味か分かりますか?不倫は自分事になった瞬間から、自己弁護でも何でもなく、ただ相手を好きになって肉体関係に発展することの何がいけないのかという、婚姻制度を基礎とする現代社会の法規範、あるいは倫理的な善悪の境地をも超越するからです。

つまり今、不倫を悪と断じている人たちは不倫をしたことがないのです。したことがない、あるいは文学作品などを通じて不倫とはどのようなものか追体験したことがないから、善悪以外に判断する基準を持たないから、悪いことだとしか言えないのです。その糾弾の中には「なぜ自分は櫻井孝宏に選ばれないのか」みたいな常軌を逸した女性ファンの個人的怨嗟の声も混ざっていると思われますが今はややこしくなるので消しときます。そういうのはブロマイド見ながらオナニーナさんでもやっとれや。うっかりこんな本音が表に出たら大変だ。

 

なので、この件を含めて不倫を糾弾したがる人達は人生の蓄積が薄い、あるいは人気者の失態と凋落を面白がって尻馬に乗ってるだけだと私は思っています。世の大多数の人にとって、櫻井孝宏が女好きだろうがスケベだろうが色魔だろうがどうでもよく、不倫の事実すら善悪の俎上に載せて判断する機会なんてありません。ふぅんそうですかで済む話です(私もこれです)。強い関心を抱くからこそ深く知りたがり、糾弾しようとするのです。愛憎紙一重

参考までに、私は不倫したことないです。過去に肉体関係を持った女性たちの中に私の知らないところで婚姻関係があった可能性は捨てきれませんが(完全別居状態が1件あったな)、「これは不倫だ」と自覚しながらおいたしたことはありません。出来るもんならやりたいわ!!

 

……彼にまつわる話の現状からの転換を願う私としては、不倫の善悪などという次元の低い問題意識を抜け出して、役者・櫻井孝宏でなければ芝居にならないと言える演技があるか、この業界において余人を以て代え難い存在か、という、彼の芸能生命の根幹に関わる話になればいいと思っています。

枢木スザク(ルル)、田中理恵さんが演じてる保健室登校の子とくっつく男子高校生(主人公分裂のキミキス)、忍野メメ西尾維新のあれ)、ゆきあつ(秩父三部作のあれ)、槙島聖護虚淵玄のあれ)、下鴨矢三郎(たぬきのあれ)、岐神海苔夫(シドニア)、アバン先生(ドラクエのあれ)……私が記憶しているのはこれくらいですけど、ちょっと前によく見たじゅ?じゅじゅちゅ廻戦のCMで百鬼夜行云々ゆってるのも彼ですね。声を聞くと一発で分かります。呪術廻戦見てないけど。特徴的な声であることは間違いないと思います。声豚三軍の私にもすぐ分かるくらいですから。

で、ファンの方々には申し訳ないのですけれど、声質は違えど、ほぼ梅原裕一郎(敬称略)、石川界人(敬称略)、あるいは中村悠一(敬称略)で代替できそうなんですよね……中村悠一に至っては事務所同じだし。現状、私が記憶している演技の中に櫻井孝宏以外に考えられない役柄はありません。業界の皆様がどう思っているかは知りません。

 

改めて、匿名性の陰に隠れて彼を鞭打つ人たちには、本当に不倫をダメだと思うなら、彼が支える、あるいは彼を支える家庭があることをよくよく考えていただきたいです。万が一彼が芸能生命を絶たれ、生活基盤を失えば、家族はどうなりますかね。そういう想像力もない人から「不倫は悪だ」なんて、私だったら言われたくないなぁ。