working-report 2回戦

ゲーム脳はゲーム脳のままで熱を失うだけ

冬アニメはひろプリ一択

皆様こんにちは。3月下旬に差し掛かり、冬アニメの最終話が見えてきました。今期開始当初にリコメンドした3作のうち、リアルタイムに一番近い水準で追っているのはおにまいだけです。それすらテレビ放送から3週遅れの体たらく。

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便利屋斎藤さんは6話以降期待する展開から大きく逸れました。モーロックの悲しい過去は必要だったのかよく分かりません。チョーさんがシリアスな演技をやるとそれまでのコミカル路線が全部吹き飛ぶほど引きつけられてしまうので、私は反対だ……。

利便事屋は5話で飽きました。アルコール入りの推進剤がないとしんどいです。言葉づかいに雰囲気があっていいんですが既視感が来ます。YOASOBIもしくはよふかしもしくはヨルシカの真似しぃみたいなオープニングも何か違うんです。虚淵玄脚本の歌がこんな軽快であっていいはずがなく、「あの3話」で本性を顕わすkalafinaの魔女感が欲しかったです。歌大事。

 

目下、完全リアルタイム、データ放送経由のプリキュアあつめ、さらに同日夜の晩酌会でHDD再生の1日2回視聴を続けているのがひろがるスカイ!プリキュア(ひろプリ)です。過去7週の日曜日、会社に行く日より1時間も早く起きて支度をし、心身整えて試聴しています。冬アニメ期間中に始まった作品の中でずば抜けて面白いことは疑いようがありません。

これまで再三青いプリキュア、いわゆる青キュアについて

 

かゆい
うま

 

に匹敵する気持ち悪さで色々なことを書いてきたのに、そういえばひろプリの話をちゃんとしたことなかったです。てへ。

 

私たちの住んでいる世界とは別の世界・スカイランドから日本のどこかの都市・ソラシド市に落っこちてきたソラ・ハレワタールちゃんは、虹ヶ丘ましろちゃんと出会います。ガールミーツガール。

ソラちゃんはスカイランドのお姫さま(赤ちゃん)・エルちゃんが豚野郎(モデルはカバです)にさらわれかけたのを救出したものの、スカイランドに戻る方途も行くあてもなく、ましろちゃんのお家にご厄介になることになりました。

ましろちゃんの父母は遠くにいて(天国的な遠くではなく、外国的な遠く)、広いお家にはおばあちゃんがお住まいです。おばあちゃんはあっさりソラちゃんを受け入れます。なぜならおばあちゃん、元スカイランド人だったのです。

そして、エルちゃんを奪おうと日々ソラちゃんとましろちゃんにちょっかいをかけてくる豚野郎との戦いの中で、ソラちゃんはエルちゃんの喊声「ぷいきゅあ〜!!」によって、伝説の戦士プリキュア・キュアスカイとして覚醒するのです。

 

説明の便宜上時間軸が多少前後しましたが、導入はこんな感じです。たぶん公式サイトを見ていただいた方がすんなりご理解いただけます。

www.asahi.co.jp

この先、ましろちゃん、12歳の男の子、18歳の新成人(!)が次々とプリキュアの力に目覚めることになるのであろうことは既に公式から情報開示されている通りです。

 

ひろプリのなにが面白いって、別の世界からやってきたソラちゃんが日本の文化と微妙に噛み合わないながらもうまくやっていこうと努力するところと、言葉遣いが丁寧なのに基本行動パターンがマチズモに満ち溢れているところです。ヒーローに憧れる女の子が実在するとしたらこんな感じなのでしょうか。あ、ひろがるスカイ!の「ひろがる」は「hero girl」に掛かっています。これ考えた人すごいわ。

彼女にとって日本の暮らしは新しい発見と驚きに満ちています。外国の子が日本へホームステイに来たのとよく似ています。近年のプリキュアが課題意識を持って取り組んでいるダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包摂)がごく自然にエンタメと融合しています。私の大好きなきんいろモザイクきんモザ)と共通する要素です。きんモザは狂気に満ちた展開が多いので人にお勧めしたことないですけどね……。

 

師匠「なんでシノはアリスと一緒に風呂入ろうとするの?」
じぇ「金髪美少女と暮らしてたらそんな気にもなるんじゃない」
師匠「俺が金髪美少女だったらgentlyさんは一緒に入るの?」
じぇ「金髪美少女ならんくてもスーパー銭湯行っただろうが」
師匠「俺じゃない金髪美少女だったら一緒に入るの?」
じぇ「それは一般に犯罪って言うんだよ」

 

そしてましろちゃん(のちのキュアプリズム)と対を成す姿は初代ふたりはプリキュアのオマージュであり、ふたりの関係性は友達のような、別の何かのような、運命を感じさせる結びつきの気配をまとっています。そうですね、LGBTQです。

 

これらは別におかしなことでもなんでもないんだよ、と自然に受け入れられる素地を主な視聴者層である女児たちに持ってもらうことは、今後の日本の姿を考えるとき、とてもいいことだと私は思います。

声のデカい人権団体が国や自治体と対峙する姿を見せるより遥かに効果的で宥和的です。この人たちと本当に困っている人たちが像として重ならないのはなんでなのかよくわかりませんし、団体の当事者にその自覚がないことの方がよっぽど問題のような気もします。

 

私はそんなプリキュアの姿勢に共感し、また作品としても非常に面白いので、

ジャケット、可愛すぎる

主題歌CDを買いました。テロップなしのオープニングとエンディングが収録されたDVDつきです。

おっきくなっちゃった

Amazon限定のメガジャケットもついてきました。歴代のプリキュアも可愛いんですけど、キュアスカイは青キュアファンの宿願だった初めての主人公、ヒーローなので感慨ひとしおです。ラブライブ!スーパースター!!の作画を手掛けた斎藤敦史さんのキャラクターデザインなんだから可愛くて当然ですわね。私はかのん推しです。ソラちゃんの目元がそれっぽい。

ちなみにこれが届いたのはWBC準決勝の最中、吉田正尚選手の3ランホームランの直前でした。現実世界にも干渉するプリキュア

 

オープニングもエンディングも毎朝視線を切らず欠かさず見ています。これから見るぞ!のテンションを高めるためです。

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映像と音楽、どちらにもクリエイターの強い意志を感じます。特にエンディング「ヒロガリズム」2番の歌詞、

 

無敵だと強くなれない!

やさしいだけじゃ越えられない

 

なんて含蓄のあるフレーズでございましょう。大人たちの仕事にも通じる名言名句です。当分の間、出勤途上の一曲はこれになりそうです。

 

ひろプリは始まって7週、まだ40話以上もありますので、女児向けアニメにおっさんが何を夢中になってんだと鼻で嗤わず、今からでも是非ご覧いただきたい作品です。おすすめおしまい。