working-report 2回戦

ゲーム脳はゲーム脳のままで熱を失うだけ

あまあまのぷらぷら

皆様こんにちは。米国のFTC(連邦取引委員会。日本の公正取引委員会みたいなとこ)が、Amazonプライム(以下、アマプラ)の会員誘導の仕組みについて提訴したそうです。

jp.reuters.com

FTCが長い長い英文の訴状でなんて書いてるのかは興味ありませんが、「操作的、強制的、欺瞞(ぎまん)的なユーザー・インターフェースデザインを使用して、消費者を欺き、自動更新のプライム会員に登録させた」というこの一文には大いに賛同します。おっしゃるとおり、日本法人が展開しているスマホアプリ、PCサイトのいずれもが紛らわしい。

私は好き好んでクレジットカードを作らないので、スマホのまとめて支払い枠と連動しているソフトバンクカードをAmazon決済用に充てています。これなら10万円のキャップ付きなので、万が一なりすまし被害を受けても少額のダメージで済みますし、なにより支払能力を超えて使い込む心配がありません。

www.softbank.jp

市中の一般的なカードは使わなくても勝手に与信枠広げてくるから怖い。どこかのお店でスキャンされることすら怖いので、会社のご命令で作成したVISAカードは更新が届いた瞬間ハサミでバラバラにして捨ててます。ただ、末端がどれだけ処分しようがカード会社のデータセキュリティが破られたら一巻の終わりです。

……念のため申し上げておくと、これは崇高かつ偉大なる親会社様を信頼していないのではなく、クレジットカードのシステム、顧客情報データセンター、つまりどこぞのクラウドサーバの管理体制を信頼していないのです。そのクラウドサーバもAWSだったりするんだけどな。GAFAMに個人情報も購買履歴もガッチリ握られる時代になっちゃったな。あ、私のFはFANZAです。性的嗜好なんて究極の個人情報じゃないか。こんなので「マイナンバー作りません」なんていくら主張したって何の意味もないわ。

 

でね?カード情報をAmazonに登録した状態で買い物すると、登録以前はあったはずの決済手段選択画面が省略されます。お前クレカ登録したろ?支払これだべ?って感じ。これは分かる。操作ステップの省略、ユーザーストレスの軽減と言えばその通りだ。でも、アマプラ加入前に「アマプラお急ぎ便を試して注文する」ってのを黄色いボタンにするのはダメなんじゃないか?って前から思ってたんです。

 

(適当な画面写真がない無能ですみません)

 

30日間の無料体験終了後はこちらから拒否の意思表示をしない限り、自動的にプライム会員になってます。普通さ、購入確定ボタンは色で判断するやんか。普段の買い物をプライム入会前提にするのは明らかに誘導的です。去年これをやっちゃったときは慌てて解約手続きしました。めんどくさかったけど。

ところがねぇ。これを一度やってしまうと、以降は試す云々の表記もない状態でお急ぎ便が当たり前みたいに黄色いボタンになるんです。押しちゃうわな。もはやお試しではいられない。

……そして、今月、私は負けました。根負けしました。アマプラは便利。HDDが決壊して録画に失敗した無職転生やら女神のカフェテラスやら江戸前エルフやらの穴埋めは出来るし、あとから飲み仲間に「おすすめですよ」と言われたアニメをチェックできるし、ECサイトBlu-rayは基本4分の1値引きされてるし、注文したら発売前日に届くし。結局dアニメストアセットで月額1,100円払ってます。あの時(以下参照)の検討が今日の結果を生んだと言えばそれまでです。やっぱりサブスクの波には抗えない。

working-report2.hatenablog.com

確かに、こういう会員の取り込み手法は行儀がよくない。開発SEは「文字を読まないおまえが悪い」と言うのでしょうけど、ユーザーインターフェースの慣れを逆用するのは納得がいかない。でも便利なんだよなぁ。

FTCはAmazonのこの戦略をけしからんと言っとるわけですが、ユーザーの同意をどう考えるかが難しいですね。始めたときは誘導的だったかもしれない、でも使ってみたら案外気持ちよくて使い続けてダメ人間になっちゃった。イギリスが清国にアヘン持ち込んだやり方とそっくりじゃないか!やはり欧米はけしからんな!尊王攘夷の国体護持じゃあ!

これを「強制的、欺瞞的」と言えるのか。シアトル連邦裁判所の判断がどうあれ、私は使い続けることになりそうですが。