working-report 2回戦

ゲーム脳はゲーム脳のままで熱を失うだけ

再びの、政治資金パーティーについて

皆様こんにちは。今月のPV数が異常に伸びているので、何がそんなに読まれてるのかアクセス解析を確認すると

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またしても3年前の政治資金パーティー記事が爆売れしてました(そして残念ながら、私には一銭も入ってこない)。Google、Yahooの2大検索エンジンからアプローチされた記事の9割超を占めています。

一人勝ち過ぎるやろ

 

全体流入の4分の3を占めるGoogleで93%。意図しない需要に戸惑いを隠せない私。ここは刺々しい政治ブログじゃないのよ。「キュアスカイちゅきちゅき~♥」しか言わないおっさんがプリキュア愛を炸裂させる憩いの場なのよ。

私の分身をこしらえるつもりで一生懸命書いた他の記事が7%を分け合う結果、0%が大量に並ぶ異常事態です。というか、普通に検索かけても上位表示されないんですけど、皆様どこからたどり着くんですかね。さてはヒマか。

ここしばらく、政治資金パーティーをめぐる話題がアツいのはご承知のとおりで、自民党の各派閥が開催したパーティーにおいて、収支報告書に本来の収入金額を記載していなかった疑い、派閥が各議員に課したパーティー券販売ノルマを超過した分の資金還流(キックバック)をしていた疑い、それに伴う裏金作りの疑いが連日報道されています。

www.sankei.com

やまぶきいろのおかし(実際はこのようではない)

実際に入ってきた収入を記載せず、販売ノルマ超過分は議員の懐に収まるなんて、経理を知らなくても「これ、ヤベんじゃね?」て気づきそうなものです。政治資金規正法を改めて眺めてみても、政治資金パーティーにかかる収入はその「すべての収入」金額を記載するよう定められています(法8条の2、9条1号ヘ)。

elaws.e-gov.go.jp

政治資金パーティーがどういうものかについては、不本意なことに私の趣味とかけ離れてアクセスが爆裂している上の記事で書きましたので繰り返しませんが、法が定める収支報告書に正確な収入金額を記載していないことが意味するのは、資金管理帳簿の二重化です。

私は経験したことないですけど、二重帳簿は管理が大変なんですよ。だって、意図的に収入を偽装して、記載の要否を他帳簿と見比べて矛盾なく仕訳できる優秀な人間がいないと出来ないもの。いくらポンコツの政治家でも自分の懐具合は正確に把握しておきたいでしょうから、法的義務を課された帳簿ベースの収入と、収入実態に即した資金ベースの収入を別々に管理する手間が生じます。

何が言いたいか分かりますね?これは、事務的なミスなどではありえない、明確な実行意思を持った、ごくシンプルな脱税犯罪です。収入を過少に見せれば当然税務上の所得も小さくなりますから、所得税が下がります。

ただ、脱税は民間レベルの話であって、政治資金目的で集められたお金に税金はかからないため、政治家およびその会計管理者は脱税の罪に問われることはありません。

これを事務的なミスと言い張る政治家は、自分の財布の中身も正確に管理できない人間が国政やってま~す♪なんて表明しながら歩いてるに等しいわけで、言ってて恥ずかしくないんだろうか。恥ずかしくないから政治家やっていけるんだろうな。

もっと言っちゃえば、ちっちゃい魚屋とか八百屋とか声優とか色々な個人事業主仕入税額控除の段階的解消を盾に無理くり課税事業者登録させて、個別取引ごとの領収、請求書類を電子保存させたうえ、きっちり徴税しまっせ?ゆうてるくせに、おまえら、なめとんか?

www.nta.go.jp

国税庁マジか。政治資金パーティーに対価性が伴わないって、じゃ何のために人呼んで料理出して会場借りてやってんだよ?あれは対価性あるだろ!

www.nta.go.jp

国税庁が何を言っているかわからない件。対価性がないって言っときながら、企業の寄付金処理に関しては対価性ありって、おまえら二枚舌か?政治資金パーティーの政治家側だけ消費税徴収しませんってか?ふざけんなよ!

ストップ!インボイス



政策的課題の啓発に一役買っているとは到底思えないどぶろっくの歌をお楽しみいただいたところで、インボイス制度についてはちゃんと真面目に書いてます。よろしければ合わせてどうぞ。

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……過去の政治とカネにまつわる事件で、疑惑の渦中の政治家たちは一様に「記憶にございません」「秘書が勝手にやったこと」という責任なすりつけ系の鉄板ワードを使ってきました。

今回、岸田首相は全派閥に対してパーティー開催の自粛を要請したかと思えば派閥の長をやめるとか、この人もご多分に漏れず、危機回避能力が低い。

news.yahoo.co.jp

事実解明を進めるのは当然としても、パーティー自粛は何の解決にもならんでしょうよ……だいたい年の瀬が押し迫ったこの時期に全ての政治資金パーティーを見合わせると、予定会場のホテルが大弱りなんですよね。お料理関係はどうにかなるとしても、いろいろな催事やイベントの申込を蹴って確保してたでしょうに、いまさら穴を開けられたら埋めるのはまず無理でしょう。

 

松野官房長官が安倍派の事務総長だった当時、資金還流(キックバック)の有無を記者会見で問いただされたとき

「報道は承知しているが、個々の政治団体の活動に関するお尋ねについては政府の立場としてお答えは差し控える。いずれにせよ、それぞれの政治団体の責任において必要な対応がなされるものと考えている」

これだけ字数を費やしながら何も説明していない日本語を考えつくのは政治家くらいですよ。

で、この理屈で行くと、首相が派閥の長で居続けるのは立場があいまいで都合が悪いとでも思ったんでしょうかね。それかもう、隠し切れないほどのヤバいことが内部調査で明らかになったとか。こりゃ政局になっちゃうな。

 

www.jiji.com

この千載一遇のチャンスに何にもできないかもしんない野党なんて、いるか?泉さんの迷いの根源はお身内に対する不信です。過去何度、ブーメランが直撃したことか。ちょっとかわいそう。

 

本来、勉強会でも討論会でも演説会でも、政治資金パーティーに集まる人が多少なりとも期待することは、そこに主役として登場する政治家と直接お話をすること、面識を得ること、声を届けることです。会費2万円という、一般個人で参加するには異常な高さは別としても、そういうイベントだったはずなのです。

政治家は忙しい仕事です。なので、いかに首相が国民の声を「聞く力」と熱弁しても、聞こえてくる声はお金が集まるところの声になってしまいます。これはある程度やむを得ないことかと思います。

ただ、その貴重な機会となるはずの政治資金パーティーは、本当にただの金集めの手段になっています。時間(短い)も規模(人多すぎ)も、参加者との交流、意見交換などはあまり考慮されていません。

結果として、政治家には一部の声の大きい人の意見しか耳に入らなくなります。いるんですよ、パーティー中ほぼ自分の話だけで時間を食う人が。多くの国民にとっても、政治家にとっても、これは不幸なことだと思います。

この際、資金調達手段としてのパーティー=無駄な時間に巻き込まれる人々の意見を聞いて、もうちょっとスマートなやり方がないものか、政治家のみなさんでアイデアを出し合ってほしいものです。

 

私は政治にしかできないことがあると思うので、志ある政治家にはある程度期待しています。もうぼちぼち限界ですけど。